なんてことのない日々でした僕、神代類は孤独だった
いつだって誰かと関わることもなく、人と距離を置き、幼なじみである寧々でさえ中学が違ったこともあり話はほとんどせず、昔馴染みの瑞希もまた孤独同士ほどよい距離感を保っていた
人との距離というのは目に見えて見えないものだ
物理的な距離は見えても心の距離までは図り知れず
瑞希や寧々は心の距離の近さで言えば近いほうであると思う。えむくんは実際の距離も近いとは思うがこの場合、お兄さんがいる本人にとって僕は兄と近いような存在…なのだと思う
だからみんな、心の距離は近くとも物理的な距離に関してはほどよくを保っているのだ
……たった一人を除いて
天馬司という人物は物理的に距離が近いと思えば心の距離さえ近づけてくる天才である
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