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    スドウ

    @mkmk_poipoi

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    スドウ

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    【主明】バレなしロイヤル軸。練習問題1の前日。度胸2くらい。お前の瞳の中に俺がいる!さてはお前!(byブラウン)
    文体の舵をとれ練習問題1-2。

    こげこげ 痺れ上がる指で触れた時、相手も同じように感電して震えてくれないかと、何とも馬鹿げた事を考えた。何度も呑み下している筈の唾液は、未だじわりじわりと舌の裏から溢れ出して止まらないというのに、干上がった舌を決して潤さない。大人顔負けにあらゆる事件を解き明かす彼のことだから、既にこちらの強張りなんて悟っているはずだ。悟るまでもないと言われたらそれまで。怪盗かたなし。それでも覚えた手癖で、肩甲骨の合間を往き、さりさりと仕立ての良い生地を掻いていく。
     検分するように髪へ触れてきた手は、ひと月経つ頃、また手袋をはめるのだろうか。記憶の片隅にあった分厚い膜越しの熱が、じわりじわり書き換えられていく。頭がチカチカ、取りこぼしがないよう更地に電撃を延々走らせ焼きつけ、結果は真っ黒焦げ。指に通した色素の薄い髪の毛は、痺れを通り越して痛い程に滑らかだ。
     出会った時から正反対。今でも実際そう思うが、ぴたりと重なり合ったと錯覚する瞬間は気持ちが良かった。相手もそうだと踏んでいる。だってほら、差し合わせたように互いの頬へ触れる指と指、絡んで解けぬ視線の先。磨き上げたように艷やかな瞳の中、自分の顔が映っている。


    2022.08.14
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