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    スドウ

    @mkmk_poipoi

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    スドウ

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    【主明】明智の部屋に侵入して勝手に朝ご飯を作るぺごの話を半分の文字量にした。

    ※文舵練習問題10 800~2000字の作品を切り詰めて半分にする。1930字→965字にした。
    (元:https://poipiku.com/376555/7916690.html
    これにて文体の舵取りは終わりです! 頑張ったぞ〜! 最後まで出来てえら〜い!

    かいとうしぐさ Another 朝からカレーは重すぎると思っていた。そんな胃に革命を起こす程、このカレーは特別製だ。
     甘く炒めた野菜に、辛くも繊細な配合のスパイス。隠し味は躊躇なく鍋に放り込む。繰り返し作ったから、もうお手の物だ。
     カラスの声を時計代わりに、そろそろコーヒーを淹れなければと考える。カレーもちょうど仕上がった。
     殺風景な机にランチョンマットを二枚敷く。色はエプロンとお揃いのモスグリーン。似合ってると以前褒められたからだ。
     メニューは、サラダとカレーとフルーツヨーグルト。本当は豪勢なものを用意したかったが、次にでも作ってやろう。機会なんて、これからいくらでもある。
     コーヒーケトルを回し傾けるのも、随分と手慣れた。フィルターの中でコーヒー豆を、俺の中で幸福感を膨らます。
     至福の時間を過ごす中、扉の鍵が回った。音を立てず、廊下に人影が落ちる。こちらを覗き見る瞳がついと細まった。俺は口端を上げる。
    「おかえり。お疲れ。あと、おはよう」
     マグカップに自信作を注ぐ。完璧な朝食メニューが揃った瞬間だった。
    「さすが、名探偵は鼻が利く」
     淹れ立てを出せるなんて。今日一日、幸先が良さそうだ。
    「お前、このブレンド好きだよな」
     言いながら、指で回転させた銃で相手の心臓を捉えた。俺の眉間にも銃口が突き付けられる。
     相手は、探偵王子と持て囃される笑みも思案顔も浮かべていない。早朝五時の不法侵入者に対する困惑だけを僅かに滲ませている。
    「何者だ」
     彼にしては随分と凡庸な問い掛けだ。
     侵入方法も疑問だろうと、相手の銃に手を掛けた。彼が悟った頃には、弾倉は俺の手の中。薬室内にあった弾も床に散らばる。
    「器用なんだ」
     弾倉をエプロンのポケットにしまい、笑い掛けた。
     殺しの手段を無くしても、剥き出しの敵意が俺を刺し続ける。まったくお前らしい。
     でも、今のは質問の答えになっていなかった。一歩先の行動を取る、最近の悪い癖だ。
     さて、俺が何者か。第一印象と挨拶は二人の運命を左右するものだと「魅惑の会話術」にも書いてあった。
    「はじめまして、俺の好敵手。今度こそ、お前の心を盗みに来た」
     互いが相応しい存在であるため、今回も存分に楽しむため、バン、と高らかに叫ぶ。
     愛しい好敵手の胡乱げな声が、麗らかな朝に吐き捨てられた。


    2023.01.16
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