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    スドウ

    @mkmk_poipoi

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    スドウ

    TRAINING【P5R】あけちごろうくん(6才)が通ってる銭湯の話。ごろうくんは不在。悪い手癖が出た。文舵6-1と繋がってる。
    大きくなった吾郎くんはラムネのお兄さんのことをすっかり忘れてるけど、お兄さんは覚えてるし、あの頃と全く変わらぬ姿で四茶の銭湯へ気紛れにやってきてはラムネを飲んで帰る姿をモルガナに目撃されてる
    ※文舵練習問題9-3① 直接触れずに人物描写。ある人物のよく訪れる場所の描写を用いて行う。
    待っている人 夕方六時のメロディチャイムが鳴り響いたので、番台に座る老婆はもう一度壁掛け時計を見上げた。それから外へ続く引き戸の方へと身を乗り出し、気遣わしげに頬をさすってから、
    「今日はちょっと遅いわよねえ」
     テレビ前のソファに座る青年へと問い掛けた。年季の入った座面に腰を深く深く沈めながら、青年は相槌を打った。椅子に食われぬよう床を踏みしめる足元には、ラムネの空瓶が二本置かれている。手に持った方も、もう飲み干す寸前だ。
     朝や昼間から駄弁りに集まる老人たちもようやく引き、通勤帰りの客が訪れるまでの隙間時間。数人の客が浴場で足を伸ばしているものの、待ち合いスペースに老婆と青年以外の影はない。
     浴場から響く床を叩く桶の音と微かな喧騒がBGMだったが、それが滑舌の甘いハツラツとした声に切り替わった。その後に続くのは、ヒーローの名前を繰り返し呼んでは鼓舞する歌だ。
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    スドウ

    DONE【主明】お節介焼きなぺごと焼かれる明智の6月13日と17日。正義コープ2と通学イベントまんまの話。
    ロイヤル1周目、軽い気持ちで吉祥寺見たら明智の名前があって、本当にいる・動いてる・喋ってるでめちゃくちゃ感動した思い出。忘れられん。
    まどろみプラム -mad roam- 雨の日。レンズの中の世界は、まるでまどろみのように輪郭がにじみぼやけ、蓮に非日常を運んでくる。
     ぱつぱつ、ぽつぽつと、そこら中から雨粒が弾けては蓮の鼓膜を震わせる。濡れた路面に街灯や店舗の光が混ざり落ち、優しく色付く。視線の先、光に透けた柔らかな髪が、耳に掛けられる。露わとなった横顔は顎を緩く持ち上げ、黒く煤けた六月の空を見つめていた。
     四軒茶屋から電車に揺られ約三十分。雨の中、吉祥寺まで足を運んだのは怪盗お願いチャンネルに書き込まれた人物を調査するためだった。
     ターゲットの情報は予想より早く手に入り、さてこれからどうしようと首を捻る。折角だから、竜司と行ったダーツバーに寄ってみようか。モルガナもダーツって出来るのかな。そんなことを呟きながらハーモニー横丁の酒気と喧騒の中を突っ切り、ペンギンスナイパー目掛けて十数歩。蓮は今日二度目の偶然と巡り合った。
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    スドウ

    TRAINING【主→明】シルバーバングルを買ったぺごの小話
    文体の舵取り練習問題3-2
    結局見られなかったけど※名前は来栖暁
    ※700文字に達するまで一文で書く


     来栖暁が手に握りしめている物の正体とは紐であり、その先にはえらく小ぶりな黒い袋が繋がっていて、電車の揺れにつられる様は振り子のようだし、さらさら手触りが良いのはまるでチョコレート菓子の包装のようだとも思ったが、そんな可愛いらしいものでは決してなく、表面に赤色で印字されるのは、テレビCMで幾度と見たことがあっても、今まで――暁の17年の人生で――一度も関わることがなかった宝石店の名前で、数ヶ月前に初めて店内へ足を踏み入れた理由はまさしくきまぐれであったが、そんな過去の自分のきまぐれを感謝し、そして近い未来の自分――数時間後か数日後か――が抱くだろう、軽くなりすぎた財布への嘆きに詫びるが、どの暁も決して後悔しないことはよくわかっていて、このために数ヶ月頑張ってきたんだよなと、うんうん頷き讃えることで自己肯定感を高め、一介の高校生が買える代物でないと語る店員の冷ややかな瞳を記憶から追い出しそうとして、でも店員の予想をひっくり返してやったのは小気味良かったと、記憶の引き出しにいそいそとしまい直してから、袋の中身に思いを馳せれば、靴の爪先で床を叩いて踊りたいような、かと思えば、その場でうずくまって髪をぐちゃぐちゃかき回したいような、はたまた、いつでも一緒・どこでも一緒な鞄の中の相棒が呆れ果てるまで心の内を聞いてほしいだとか、複数の仮面を付け替えるかの如く、感情は忙しなく巡り、そしてそのどれもが一人の男の姿を想って起こることだから性質が悪く、そんな彼の半袖シャツから伸びた腕の先の――無防備な手首に銀の細輪が絡んだ光景を思う度、絶対似合うし、何より俺が見たいからと、あまりの押しつけがましさに我ながら驚くが、この贈り物に相手がどんな顔をするのか興味があるのも本当で、次はいつ会えるだろうかと、車内広告に印字された「明智吾郎」の名を視線でなぞり上げた。
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    スドウ

    TRAINING【主明】お出かけイベの小話。夏だね〜。
    文体の舵とり練習問題3
    内緒だけど※名前は来栖暁の方
    ※一段落(200~300字)の語り。各文15字前後+必ず主語+述語を入れる。



     暁は目の前の大きな水槽を眺めた。たくさんの魚が水中を自由自在に泳いでいる。魚の鱗が光を受けてキラキラ輝いた。暁は眩しさを覚え、床に視線を移す。床は水槽越しの照明でうっすら明るい。足元で波の陰がゆらゆら揺れている。まるで自分も水中にいるかのようだ。暁がそう言うと、隣の明智はくすくす笑った。来栖君って意外とロマンチストだね。明智の言葉に、暁は髪を摘まみいじった。心の中でお互い様だろと呟く。明智だって、きざったらしい。
     すると、明智が暁へと振り返った。心中を悟られたかと、暁は一瞬どきりとする。やっぱりこういう所が好きでしょ? 再び明智が問う。暁は水槽を見つめ直し、観念して頷いた。頬がうっすら熱くなる。答えを引き出せて、明智は満足そうだ。彼は再び水槽に向き直る。暁はその横顔を目だけでこっそり見た。彼がそれに気付かないことを祈り続ける。波を映す明智の横顔はとても綺麗だ。忘れぬよう、目にその光景を焼き付ける。目を瞑っても、彼の残像が残るまで。その間、明智と視線が絡むことは一度もなかった。
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