孤軍奮闘、仲間の存在に鼓舞される性格のくせにいつもそんな戦い方ばかりする男だった。まあ、現地で協力を得ることも有るらしいが。どちらかと言うとこちらは救助隊なのだ。現地の協力は、火力的な戦力とはまた別物だろう。そんな男に無理矢理持たせた防犯ブザー、もとい救難信号を出す装置は、もはやただの御守りである。もう持って居るだけマシだと思うことにした。そんなふうだから、ほら、言わんこっちゃ無い。男からの通信が途絶えた。通信機は、防犯ブザーなんかよりそれは高性能で、御守りなんかよりよほど丈夫だが、ようやっと届いた男からの連絡は、救難信号だった。なぜ、先方がどういった状況なのか考えもせず、立ち上がって信号元を辿った。