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    chkdc86

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    沖安(赤安)。ベル嫌い表現あるので苦手な方は読まないでください。
    ARを見た衝撃で書いた第二弾。内容は一緒で赤井さん視点で書いてます。

    不器用な俺達事件の後、工藤邸に帰ってから煙草をふかして今日のことを振り返っていた。彼は隣にポアロのウェイトレスを連れていたが、恐らくあれはあの女の変装だろう。組織にいた時から合わない女であったが最近は彼とつるんでいるらしくますます苦手になっていた。彼も彼だ。あの女にベタベタされて嫌な顔ひとつしないとは。考えれば考える程苛立ちが収まらず、気を落ち着ける為に吸った煙草はもう三本目で何の役にも立っていない。他の事で気を紛らわそうと窓の外を見ると見慣れた白いRX7が目に飛び込んできた。撒いた餌に食いついたのかと急いで外に出て彼の車に向かい、勢いのままに車の窓をコンコンと叩く。
    「何でしょうか?」
    「話がある。家にこい」
    窓を開けて応対してくれた彼に対して最低限の顔を保ちながら家に招いた。


    彼をリビングに通してソファに座らせ、自身はその対面に座った。いつものお喋りな様子はなく静かにしている。昼間は仲良さそうにお喋りをしていたじゃないか。必要以上にくっついていたからなのか先程まで一緒にいたのか、彼から女物の香水がふわりと香ってくる。その香りに思わず下を向いて深くため息をついた。苛立ちが顔を上げさせていつもより低い声で彼に話題を振る。
    「いや驚いたよ。君とポアロのウエイトレスが付き合っていたなんて」
    「ま、まぁな」
    「波土さんのファンだというのも好きになった一因かな?」
    「あ、あぁ」
    君にあの女は似合わない。わかってるだろう?
    「時々見せるスパイのような怪しげな視線も、魅力的だよ」
    「!」
    そうだよ。どんな君も魅力的なんだ。左利きだと気づいてくれた時なんて本当に良い目をしていたよ。
    「あの、梓さんのことを知りたいのでしたらポアロに来てみてはいかがですか?先程は肯定してしまいましたが、僕と彼女はただの同僚ですので」
    何を言っているんだ?君の話をしているんだよ。どうしてそんな見当違いの言葉が出てくるんだ。沖矢は呆れて深い溜息をついた。
    「もういい。こい」


    彼の腕を掴んで寝室へと歩みを進める。後ろで彼が抗議しているが聞こえないフリをした。寝室に着き、やや乱暴に彼をベッドに投げ出すと彼は困惑した様子だった。
    「えっ?えっ」
    「あのウエイトレスのことはどうだっていいんだ。どうせ中身は別の女なんだろ?」
    ベッドから起き上がった彼を逃すまいとのしかかるようにして動きを封じる。
    「君はわざわざあの女に変装させてまで一緒にいたいのか?あの女は君の何なんだ?」
    本当にあの女が嫌いだ。彼にベタベタして。
    「お、沖矢さん?」
    「仕置きが必要だな。君が悪いんだ」
    彼の細い手首を掴み、まとめてガチャンと手錠をかけた。
    「え?」
    予想通りの反応の彼に今度はアイマスクをかけてやる。
    「今から君が会いたがっている男を連れてくるよ」
    そう告げて彼の上から退いて少し離れた。沖矢という拘束がなくなっても彼は大人しくしている。その様子を見ながら首元のスイッチ切り替えた。
    「良い眺めだな。降谷君」
    「!」
    赤井の声で話しかけると彼はすぐにこちらへと顔を向けた。思わず溢れた笑みをつい手で抑える。
    「やはり沖矢昴に変装していたんだな!」
    「さぁ?どうかな。それよりも君は今置かれている状況をちゃんと把握した方が良い」
    「僕を殺すのか?FBI」
    「まさか。君を殺して何になるんだ。君はスコッチの為にも生き延びるべきだろう」
    「お前がその名を口にするな!」
    手錠とアイマスクをかけられているのに威勢が良いなと感心していると彼の様子がまたおかしくなった。威勢の良さが消え下を向いている。
    「っ…」
    声を押し殺す様子がなんともいじらしく思えて、近づくつもりはなかったのに気がつくと彼を抱きしめていた。
    「スコッチの事は俺が殺した。あそこで殺さなければ俺も君も組織に殺されていたかもしれない。君とスコッチには申し訳ないと思っているが、仕方なかったんだ。君が俺の事を恨むのは当然だ。一生許さなくても構わない。その代わりスコッチの為にも生き延びるんだ」
    「あ…あぁ…」
    発した言葉に嘘はなかった。これからも俺を恨んで一生許さなくて良い。それが君が生きる意味になるのならそれで良いんだ。今はただ俺の腕の中で泣いていれば良い。彼はひとしきり泣くとそのまま寝てしまった。泣き疲れたであろう彼をゆっくりとベッドに寝かせて手錠とアイマスクを外す。彼の美しくくるんと内向きになった髪の毛に自身の指を絡ませながら目元に残った涙を舌で舐めとった。
    「ふむ…」
    味を確認すると今度は彼の頭部にキスを落とし満足気な表情を見せて静かに彼に告げる。
    「おやすみ、降谷君。良い夢を」


    翌朝、彼が目覚める前に身支度を整え、最後の仕上げに眼鏡をかけて全体を確認した。
    「この姿にも慣れたものだな」
    彼はまだ起きていない様だが、もう少し…そうだなお昼頃までは寝かせるか。その間に彼がいつ起きてきても良い様に昨日の言い訳を考えるとしようじゃないか。
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