『ファネオンリー開催おめでとう』「ネロ!今日はファウネロの日だそうだ」
「ファウネロ…の日?」
「賢者の世界ではそうらしい」
「賢者さんの世界って変な文化多いよなぁ...
って、なんだそれ!俺たちの日?」
「そうだ」
「なんであんたはそんな順応してんだよ」
「今日は記念日のようなものだからな、こんなものを用意した」
「いや無視するなよ」
ファウストが呪文を唱えるとファウストは紫、ネロは紺のスーツに衣装が変わった。
「えぇ…スーツって苦手なんだよな」
早速1番上のボタンを外し、ネクタイを緩めるネロ
「……おい!ネロだらしないぞ」
そそくさと直すファウスト
「今日のファウスト、厳しくね?」
「………」
「どうした?ごめんって」
「…昨日の跡がついていたから」
「あ、ああ…そっか」
耳まで赤くなるネロ。
ファウストはネロの顎を掴むとぐいと自分の方に寄せる。
「僕が愛した印は僕だけが見えればいいんだ」
「きょ、今日のファウストは大胆だな」
「記念日だからな」
「記念日……そういやなんで賢者さんの世界に俺たちの記念日があるんだ?」
「…………ところでその服似合っているぞ」
「おい!雑にすり替えようとすんな」
「まあ、細かいことはいいじゃないか」
「………あんたがそういうならいいけどさ。先生が服用意してくれたしな、記念日らしく俺はご馳走でも作るよ。ガレットとミモザサラダとケーキでどうだ?」
「アヒージョも」
「…そ、それは今夜の晩酌で出そうかな」
「何を照れてるんだ」
「照れてねえよ!」
「耳が赤いよ、かわいいなネロ」
「〜〜っ!…賢者さんはどこにいるんだ?賢者さんのとこのお祭り?なんだろ」
「ふふ…賢者は行くところがあるらしい。会場とかなんとか言っていたな」
「忙しいんだな…じゃあ今日は」
「ふたりきりだな」
「……ああ」
・・・・・・・・・・
小さなパーティー会場はネロの部屋。ネロはガレットもミモザサラダもいつもより少し丁寧に盛り付けテーブルをセットする。
コンコンと小さなノックが響く。
「ちょっといい酒もってきた」
扉を開くなり酒の話をするんだから、ファウストはいつもの晩酌の気分が抜けてない。
今日は特別な日なのに。
《Fin》
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