Have a nice dream, darling. ちゅ、ちゅ。
湿ったリップ音が胸の辺りから聞こえて、微睡んでいた意識が呼び起こされる。重い瞼をなんとか上げると、そこに見えたのはくるりと軽快に跳ねた癖毛だった。ふわふわしたその毛は、ブロンドにしてはくすんでいて、カーキにしては柔らかい。日本食レストランで出されたわさびマヨネーズいうソース。それみたいな色だと私が言うと、少し困ったような顔をして笑っていた腐れ縁の同期を思い出した。
「…キース?」
今、私の身体の上に跨っているのは、まさにその男な訳だが。キースはエリオスの制服姿で、いつもだらけている胸元がさらにボタン三個分くらいはだけている。そこから覗く鍛えられた男の身体に、どうしようもなく違和感を感じた。
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