同じものを見ている彰人を見る度、「これ程美しい男はなかなかいないのではないか」と、不躾にも見惚れては考えてしまう。
顔が、という訳ではない。もちろん彼のルックスは整っているとは思うが、そこが美しさの本題ではない。
彰人が常に""歌""に向けている炎のような、燃えるような情熱。己の夢を信じて直走る力強さ。夢の実現の為に努力を惜しまない心。いつだってそれらは美しくて、見えない煌めきを帯びている。
ありきたりな話になるが、人の美しさの本題は、内面そのものだと思う。
美しい内面は、人の心を動かす。狂わす。俺もその一人なのかも知れない。現に俺は、頬杖をつきながら次のイベントでのセットリストを決めようと、テーブルに向き合いながらノートに書き込んでいる彰人の、真剣な表情から目が離せなくなっている。引力が作用しているかのように。
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