愛ではないかもしれないけれど「だいたいさァ〜、なんでこっちばっかり馬鹿みたいに腰振って頑張らないといけないわけェ〜?セックスっていうのは二人の共同作業じゃないの?女をイかせるだけならそれってただの介護じゃん?おまけに前戯に文句なんか言われた日にはショックで海綿体から血が引くわ!セフレならせめて相手を乗せる努力くらいしてほしいッ!もっと前向きにセックスに取り組むべきだろ!あ〜、もうやだ。手コキと騎乗位の上手なお姉さんに今すぐデロデロに甘やかされたい。今の俺には人肌の癒しが必要なのよ……。」
白石はそれだけ言うとジョッキを呷り、ぐびぐびと喉を鳴らしてレモンサワーを飲み干した。庶民的な居酒屋のカウンター、隣に座る房太郎は白石の言葉にハハと軽い笑いを溢すと、流れるような仕草で煙草を咥え火を灯す。白石と房太郎とはこの飲み屋で三年前に知り合い意気投合、今では店の外でも一緒に遊ぶ仲だった。
4120