「わざわざこちらに足を運んでくださり感謝します、PicoさんにBoyFriendさん」
Picoに言われるがままに着いていった先はでっかい芸能事務所だとかなんとかで、受付に通してもらった部屋で出迎えてくれた女の人がそうぺこりと頭を下げた。
未だにいまいち話が見えず、つられて思わず姿勢を正すも落ち着かなくてムズムズしてしまう。
「そういう堅苦しいのはいい、俺もコイツもそういうの慣れてないんだ」
「形式上のものよ、あまり気にしないで。BFさん、初めまして。私はここ、C space芸能プロダクションでプロデューサーをしているFortranと申します」
スッと名刺を差し出され思わず上ずった返事でそれを受け取る。
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