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    su133115zu

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    su133115zu

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    ハロウィン、ノベライズではドがらod川さん置いて走り去ってしまったのでその後合流できなかったif ただのわちゃわちゃ どうしても滑り込みたかったので乱文短文散文

    ハロウィンに滑り込みたい ようやっと野外仮装大会の喧騒から解放され、弟にも別れを告げて帰路についた大門は1人腹の底から湧き上がる笑いを堪え、我が家へと帰るべくクルマを取りに繁華街の外れを歩いていた。
    ふは、知らず知らずのうちに抑えきれなかった笑声が溢れ出る。傍から見れば完全に不審人物であるが、職質は1ミリも怖くない。お前人見る目ねえなあという顔つきで巡査と書かれた桜の代紋を突きつけてやるまでだ。
    愉快の根源は先程弟に見せられた、某動画投稿者の撮影した騒がしい繁華街、おそらく渋谷で無抵抗の成人男性を棒状の何かで強かに殴りつける馴染みのヤクザの動画であった。さすが話題の大悪党、双子が見ている間にも再生回数はうなぎ登り。数時間前に投稿されたものだというのにもうすぐ1万回の大台に乗りそうな勢いだった。
    最低の悪だな!正義感溢れる弟の台詞にも血が沸騰するような爆笑を堪えるのに必死でなんと返したのか全く覚えていない。他人の不幸は蜜の味。それが一々鼻につく憎たらしい反社会勢力の人間ともなれば尚更である。くく、また喉が鳴る。大丈夫か?と心配を装って今どんな気持ち?という旨のメッセージを入れてやろうと思って男と連絡をとるためだけに契約した端末を取り出した。瞬間緩みきっていた大門の表情から笑みが消える。
    ロック画面には夥しい数の着信履歴とメッセージ、この端末に連絡を入れる人物は1人しかいない。何かあったのか。まさかあの騒動で警察にひっ捕らえられでもしたのだろうか。いやそんなことは大門の耳には届いていない。管轄外での話か?
    一瞬で最悪の推測が頭を駆け巡る。その最中、サイレントモードにしていた液晶が件の男からの着信画面に切り替わった。ワンコール終わる前に緑のボタンを押す。

    「どうした?」
    「お前今まで何してたんだよ!」
    「なんだよいきなり、巡回に決まってんだろうが、ハロウィンのバカ騒ぎの。」

    携帯を耳に押し当てた瞬間、切羽詰まった男の怒鳴り声が鼓膜をつんざいた。普段は大門が男を怒鳴りつけることの方が圧倒的に多いので、中々にレアな状況である。どうやら身柄を拘束されているわけではないようで、一先ず胸を撫で下ろした。

    「はぁ〜〜、公僕サマはお忙しいようで何よりだよ。まいいや、ちょっと車出してくんねえ?」
    「はぁ?俺仕事終わったばっかなんだけど、子分のタクシードライバーにでも頼めば?」
    「客が途切れねぇとか言って全然連絡つかないんだよ。今日俺変装までバレちまってるから普通のタクシーは拾えねえし。」
    「あぁ、動画見たわ。最高のエンターテイナーだなアイツ。めちゃくちゃ応援してるわ。」
    「あ?見たんならわかるだろ?俺を捕まえたら100万だと。だから大通りも歩けなくて詰んでるんだよ、金に目が眩んだ連中なんか何しでかすかわかりゃしねえ。」
    「だろうな。」

    流石金に目が眩んで銀行を襲ってとっ捕まった男の言葉は重みが違う。説得力が桁違いだ。じゃあお前今何処にいんだよ、と聞くと渋谷から少し外れた裏路地らしい。お似合いだな、嘲笑ってやると笑い事じゃねえよ、軽くキレられた。どう考えても満点大笑いだ、キレられる意味がわからない。全部が全部お前の身から出た錆だろ。

    「な?頼むよ、俺にはお前しかいねえんだよ。」

    本当に調子のいい奴だ。頼むから1回痛い目見てくれ。ここですげなく断ってやりたいと心の底から思うがドブが善良な市民に警察へと突き出されて困るのは大門も同じである。誠に不本意ながらこの身は金にがめついヤクザと一蓮托生であるのだ。先程までの笑顔はどこへやら、こめかみを抑えながら深くため息をついて迎車料金高くつくぞ。とめいいっぱい遠回しに肯定を示した。領収書の宛名大門で頼むわ。なんて途端に平素の尊大な態度へ逆戻り。切り替えが早すぎる。言葉を発する前にこちらの機嫌を損ねてクルマを逃す可能性が頭を過ぎらなかったのだろうか。どうせ大門が断らない、否断れないことまで織り込み済みの台詞なのだろう。全く腹立たしい、人間の想像しうる全ての不幸がこいつに降りかかりますように。

    「お前最近洋画の主人公みたいな生活してない?憧れるわ。」

    苛立ちに身を任せて真心のこもった皮肉をぶつけてやると、電話の向こうで事の元凶への積もり積もった恨み辛みを吐き出し始めた。自称教祖の大学生に対するドブの恨み言はあの馬鹿フルネームに顔出しまでしやがって今後の人生どう生きていくつもりだという真っ当なダメ出しから始まり、あのくらいの年頃は云々承認欲求が云々と留まることを知らずに堰を切ったようにつらつらと溢れ出し続ける。男の口ぶりは巧妙に塗り固められた呆れが半分、隠しきれない憔悴がもう半分というところである。これだ。大門は男のこういう声が聞きたくて一日の終わりに嫌いな人間とわざわざコンタクトを取ろうと思ったのだ。たまらなく愉快で痛快で爽快な気分である。仕事終わりの疲れた身体で運転手の真似事をしてやってもまあいいかと思えるくらいには愉快だ。弱っている男に追い打ちをかけるように言葉の切れ目を狙って茶々を入れる。


    「そんな凹むなよ、俺がコスプレでもしてやるから。」

    ふざけんな三十路の男のコスプレの需要がどこにあるんだよ、これ以上俺の精神を疲弊させてどうすんだ、そんな返答を期待していた。いつもの嫌がらせのつもりだった。自分の言葉でいくらかダメージを受ければいいと思っていた。

    「へえ?大門が?俺のために?健気で可愛いじゃねえか。」
    「はぁ!?お前どこをどう解釈したらそうなんだよ!どう考えても嫌がらせに決まってんだろ!」
    「ふ〜ん?楽しみにしてるわ。何着てくれんの?メイド服?ナース?ミニスカポリス?」
    「なんで女装確定なんだよ!死ね!」

    予想を華麗に裏切って喜色の含まれた応答を寄越した男に、優勢だったこちらのペースが乱され上擦った声で怒鳴り返す。
    そんな反応されるとこっちがめちゃくちゃ恥ずかしいことを言ってる気分になるだろ。我ながらコスプレしてやるから元気出せは酷いと今更ながら冷静になった。先程まで渋谷中を喧しく闊歩していた浮かれカップル共と何一つ変わらないではないか。血液が熱く顔に集まるのがわかり、余計に狼狽した。おっさんの赤面ほどキツいものはない。三十路のコスプレとどっこいでキツい絵面だ。つい数分前までの言い合いからあっという間に形勢逆転、瞬く間に調子を崩されてしまった、そしてそこを見逃す男ではない。

    「なんだあ照れ隠しか?可愛いねえ大門くん♡」

    堪忍袋の緒と一緒に通話もブチ切れた。通話の方は確固たる強い意志を持って叩き切った。
    ここから車でミニバンを停めている駐車場の方まで行って、そこからまた渋谷に戻ってくるので割と時間がかかる。巫山戯た事を抜かした腹いせに敢えて伝えてやらないことにした。せいぜい来ないかもしれない迎えに怯えていろ。
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    Replies from the creator

    su133115zu

    DOODLEドブ兄 Twitterにあげたやつと一言一句同じ
    バレンタイン 仕事帰り、醤油が切れそうから買ってきてという同居人からの要望に重いもんはクルマある時にしろって言ってんだろうがと愚痴りながらも渋々了承し、スーパーに寄った大門の両眼は赤地にデカデカと黄色く印字された大安売りの文字に釘付けになっていた。赤い垂れ幕のかかった大きなワゴンにはこれでもかと様々なチョコレートが雑に積まれて山になっている。本日は二月十七日、茶色く甘ったるい洋菓子の世間的な賞味期限が切れてもう三日は経つ。まだこんなに残ってるのはおかしいだろ、普通はイベント当日までに捌けるように発注するんだよ、担当者が桁を間違えでもしたのだろうか。どれもこれも商品のバーコードの上に半額シールがこれまた雑に貼り付けてある。俗に言う投げ売りだ。年間を通してスーパーで売られているものと比べて少々高級そうなチョコレートが三桁代で買える、大門も甘党ではないにしろイベントにかこつけて美味いものが安く食えると言うなら大いに結構だと思う。チョコレートも酒のつまみになると聞くし。こんなチャンスは一年のうちで今の時期しかありえない。ワゴンの上の方、他の重みで潰されていなさそうなものを二つ慎重に選んでカゴに投げ入れ、目当ての醤油の方へと向かう。
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    su133115zu

    DOODLEいつかの12月26日の癒着
    クリスマスではない日「おい吸うなって言ってんだろ。」
    「おかしいだろ俺ん家だぞ、しかも今更。なんでそんなカリカリしてんの?」
    「昨日イルミネーションだかなんだか知らねえけど道が死ぬ程混んでたんだよ。揃いも揃って公道タラタラ歩きやがって。なんだってんだ、ただの平日だろうが。あーあ、早くクリスマスはしゃぐカップル全員有罪になる法案可決されねえかな。」
    「お前それ絶対取り消すなよ。いつか彼女とクリスマス過ごした次の日自首しろよ。」

    悪事の打ち合わせで訪れた馴染みのヤクザの住処、ソファの隣でジッポをカチャカチャいわせて深く白い息をついた家主に苛立たしさを隠さずに吐き捨てる。
    別に大門だって喫煙者であるし突然心を入れ替えて嫌煙家になったわけではない。本日日勤の大門はロッカールームで夜勤帰りの弟と鉢合わせ、弟から嗅ぎなれた苦くべたべたしたタールの臭いがすることに気がついたのだ。まさか自分に染み付いたものが知らぬ間にうつってしまったのだろうか。いや一緒に住んでいるわけでもあるまいしそんなはずはない。しかし万が一というものもある。恐る恐る問いかけてみると、なんのことはない。今さっきまでの夜勤シフトで共に過ごした同僚が警察官の癖にとんでもないヘビースモーカーで、その臭いだろうとのことであった。
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