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    su133115zu

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    su133115zu

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    予約「なあドブ、お前足洗う予定とかないの?」
    「はァ?あるわけないだろ、なんでだよ。」
    「いや、しんどくねえのかなって。」

    アルコールの入った大門はいつもより饒舌になる。上機嫌になることは滅多になくグダグダ管を巻くのみであるし今のように突拍子もないことを言い出すことも多々あるので鬱陶しいことこの上ないが、ドブは大門のこういう面倒な所をほんの少しだけ気に入っていた。頑なに隙を見せない男の意地で塗り固められたこころの奥を垣間見たような気分になるのだ。

    いやあ全然慣れないもんだな犯罪。お前すごいよ、いやホントに。よく指名手配なんかされてのうのうと生きてられるもんだ。

    今だってベラベラと聞いてもいないことを語り出した。それは俺は今しんどいですがお前はどうですか?と問うているようなものだぞ。嫌いな相手にそんな一面見せて大丈夫か?

    「なんだよ大門、今更怖気付いたのか?」
    「は、そう見えるならそうなのかもな。」

    赤く染まった目元をゆるりと細めてこちらを嘲笑う汚職警官。酔って尚憎まれ口は健在なようで何よりである。聞けば俺が組を抜ければもっとウマの合う人間と組めるのではないかと考えたらしい。何処までも可愛げのない奴だ。

    「いつか小指切り落としてやるからな、左手の。」
    「左ぃ?普通右だろ。」
    「利き手じゃ可哀想じゃん。」
    「可哀想ってお前…お前の優しさってどっかちょっと違うよな。なんか上手いこと言えないけど気持ち悪ぃ。」
    「人の情けに文句つけんな。」

    またなんの脈絡もないことを言い出す大門に、お前が俺の指詰めてなんの意味があるんだとか指詰めはケジメの儀式であって指無くしたら破門とかそういうルールはないからなだとか突っ込むのも馬鹿らしくなってしまって、適当に話に乗っかってしまった。酔っ払いの戯言は聞き流すに限る。

    「婚約指輪みたいなこと言うじゃん、熱烈だねえ。」
    「キモ。」

    調子を合わせておちょくってやると男は言い出しっぺのくせにこちらに非難の目線を向け、おえ、と嘔吐くように舌を出して濃い目のハイボールを呷った。深酒はいいけど吐くんじゃねえぞ。

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    su133115zu

    DOODLEドブ兄 Twitterにあげたやつと一言一句同じ
    バレンタイン 仕事帰り、醤油が切れそうから買ってきてという同居人からの要望に重いもんはクルマある時にしろって言ってんだろうがと愚痴りながらも渋々了承し、スーパーに寄った大門の両眼は赤地にデカデカと黄色く印字された大安売りの文字に釘付けになっていた。赤い垂れ幕のかかった大きなワゴンにはこれでもかと様々なチョコレートが雑に積まれて山になっている。本日は二月十七日、茶色く甘ったるい洋菓子の世間的な賞味期限が切れてもう三日は経つ。まだこんなに残ってるのはおかしいだろ、普通はイベント当日までに捌けるように発注するんだよ、担当者が桁を間違えでもしたのだろうか。どれもこれも商品のバーコードの上に半額シールがこれまた雑に貼り付けてある。俗に言う投げ売りだ。年間を通してスーパーで売られているものと比べて少々高級そうなチョコレートが三桁代で買える、大門も甘党ではないにしろイベントにかこつけて美味いものが安く食えると言うなら大いに結構だと思う。チョコレートも酒のつまみになると聞くし。こんなチャンスは一年のうちで今の時期しかありえない。ワゴンの上の方、他の重みで潰されていなさそうなものを二つ慎重に選んでカゴに投げ入れ、目当ての醤油の方へと向かう。
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    su133115zu

    DOODLEいつかの12月26日の癒着
    クリスマスではない日「おい吸うなって言ってんだろ。」
    「おかしいだろ俺ん家だぞ、しかも今更。なんでそんなカリカリしてんの?」
    「昨日イルミネーションだかなんだか知らねえけど道が死ぬ程混んでたんだよ。揃いも揃って公道タラタラ歩きやがって。なんだってんだ、ただの平日だろうが。あーあ、早くクリスマスはしゃぐカップル全員有罪になる法案可決されねえかな。」
    「お前それ絶対取り消すなよ。いつか彼女とクリスマス過ごした次の日自首しろよ。」

    悪事の打ち合わせで訪れた馴染みのヤクザの住処、ソファの隣でジッポをカチャカチャいわせて深く白い息をついた家主に苛立たしさを隠さずに吐き捨てる。
    別に大門だって喫煙者であるし突然心を入れ替えて嫌煙家になったわけではない。本日日勤の大門はロッカールームで夜勤帰りの弟と鉢合わせ、弟から嗅ぎなれた苦くべたべたしたタールの臭いがすることに気がついたのだ。まさか自分に染み付いたものが知らぬ間にうつってしまったのだろうか。いや一緒に住んでいるわけでもあるまいしそんなはずはない。しかし万が一というものもある。恐る恐る問いかけてみると、なんのことはない。今さっきまでの夜勤シフトで共に過ごした同僚が警察官の癖にとんでもないヘビースモーカーで、その臭いだろうとのことであった。
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