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    amampanda

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    amampanda

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    テスデイ
    デアに2人がいる謎時空
    テスが猫になってます
    そんな感じのゆるい話

    大丈夫な方はどうぞ

    ねこの条件 早朝、寝返りを打つと予想していた感触ではなく、ふわもにょっとした何かに触れて驚いて目を見開くと、そこには白金の見慣れた色した毛並みの猫がすーすーと寝息を立てていた。
     「テ、テスカトリポカ……?」
     「んにゃ、くぁーっにゃうにゃ、」
     珍しく動揺したデイビットの声に、眠そうに開かれた瞳の色で確信した。
     この猫はテスカトリポカなのだと。





     「ええ!?テスカトリポカも?」
     「あぁ、朝起きたらこうなっていた。」
     「うーん、まぁ猫の日だからねぇ、カルデアでは良くある霊基異常だから、明日には戻るはずだよ。安心したまえ。」
     慌てて万能の天才の元へ走れば、さらっと答えられて、安心すると同時に変に入っていた力が抜けてた。デイビットは「戻るなら、いい。」とだけ呟いて自室へと戻ろうとすると、後ろから。

     「早めに戻る方法あるけど、知りたい?」

     どこか楽しそうなダ・ヴィンチの声に聞いてはいけない気しかしなくて、首を横に振って部屋を後にした。
     すれ違う何組かもどちらかが猫になってしまっていて、なるほどカルデアはこういうのが日常茶飯事なのか、と冷静に分析しながら、両前足を掴んで荷物のように連れてきたことがご立腹だったらしい彼の機嫌を取るために右肩に前足をかけさせ、テスカトリポカの後ろ足を胸の上に乗せて、お尻を手で支える。
     猫はお尻を支えられると安心するらしいと、誰かが言っていた事を思い出したからだ。
     しかし、持ち方まで変えたのに、ぷらぷらと揺れる尻尾は相変わらず不機嫌そうだ。
     「にゃー、にゃにゃっにゃ。」
     「すまないが、動物語は嗜んでいない。」
     「にゃ!?にゃ、ー!」
     がじがじと髪の毛を噛まれていることには気づいたが、とりあえず無視して自室までの道を急ぐ。なんとなく、視線を感じていたからだ。
     キーでロックを解除すると、慌てて出てきた代償のぐちゃぐちゃなベッドが目に入る。
     小さく溜め息をつくと、テスカトリポカをソファーの上に下ろした。いや、下ろそうとした。
     「テスカトリポカ……」
     「にゃ、んにゃ、っ!」
     肩に爪を立てて、抵抗された。(革のコートを着ていかなくて本当によかった)
     なんとか引き剥がしたが、気に入っていたニットは至るところから、糸が飛び出している。
     買い替え時か、ときゅっと眉間にシワを寄せると普段のルーティンワークであるベッドメイキングから始めることにする。
     その間、ぱし、ぱし、っと尻尾でソファーを叩いて不満げな一匹は視界にいれないようにする。
     一通り身支度も整えて、ようやく彼に目を向ければ拗ねたように丸くなっていた。
     普段からは考えられない愛らしい姿に、なんとなく胸がぎゅっとした気がして、いそいそとソファーに向かう。
    「テスカトリポカ、ほら、映画を見よう。」
    観たかったって言っていただろう、と何枚かのDVDのジャケットを見せる。
     ふい、と顔は背けるもののしっかりと目が観たいと言っていた作品を捉えていることに気付いて、デイビットは無意識に微笑んだ。
     今日は本来なら二人ともオフで、部屋でのんびりするかと映画を数本見繕っていたから、その中から先ほどの一枚をセットしてテスカトリポカの隣に座った。
     これで元に戻るまでの時間は潰せるだろうと思っていた。
     けれど、そんな考えも虚しく散る。
     数分もたたないうちに、猫の視力だと映像があまり見えないらしく、顔を顰めていたし、普段より効果音が耳に刺さるのか、ぺたんと下がった三角耳を見て、嫌な予感がすると思っていると、その可愛らしい猫の手で器用に停止ボタンを押されて、映画は消されてしまった。
     気になる所どころか、まだまだ冒頭だったため、没入感を得られないままにあんなに楽しみにしていた時間は終わる。
     無音の空間に、くあっと気の抜ける欠伸をするどう見ても、もう神とは言えない猫が伸びをしている。
     「早く、元に戻ってくれ。」
     切実な声音を出せば、機嫌を直したテスカトリポカがこちらの太ももに、たしたしと前足を乗せて、胸に頭をぶつけてくる。
     あいにく、愛玩動物を可愛がるという習慣は無かったが、こうしてくっついて来られれば悪い気はしなくて、柔らかな毛並みをそっと撫でつけた。
     嬉しそうにゴロゴロと喉まで鳴らしているテスカトリポカにまさか心まで猫になってしまったのかと、一抹の不安が顔を出した。
     「テスカトリポカ、おまえの声が聞きたいよ。」
     明日には戻る、そうは言っても不安なものは不安で、ここだけは変わらないとアイスブルーの瞳を見つめる。
     すると、そんなデイビットを慰めるように、猫の顔が近づいて来てそのまま、ちゅっと唇にキスされた。
     「……は、?」
     瞬間、ずしっと感じる重さといつもの煙草の匂い、そして明らかに、にやついているテスカトリポカの顔が目の前にあった。
     「はは、ダ・ヴィンチが言っていた早く戻る方法ってのはコレか!」
     心底愉快そうな声に安堵すると同時に、やけに視線を向けられていたことがどういうことか察してしまった。
     この霊基異常には条件があった。それも大分恥ずかしい条件が。

    「…………今日は部屋から出ないで欲しい。」
    「ん?オマエが言うなら仕方ねぇな。一緒にいてやるよ。」

    オレの声、聞きたかったんだろう?
    耳元で囁かれた言葉に、少しだけ頬が熱くなった。




    猫になる条件
    恋人がいるサーヴァント
    猫から戻る条件
    恋人にキス、もしくは時間経過

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