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    amampanda

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    amampanda

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    むとさんのイラストをイメージして書いたお話
    今は無きゴシックブランドBPNを着たテスデイ

    練習用イベで先行公開してましたっ!

    全部で1万QPもらったワケ「珍しい格好だな、テスカトリポカ」

     久方振りに帰宅したこの領域の主人を労ってやろうと玄関まで駆けていくと、見慣れない服装が目に入った。
     いつも通り、カルデアから疲れ切って帰宅したと思っていたが、今回はそうでもないらしい。
     所謂、ゴシックファッションというやつだろうか。
     普段より露出が控えめの、襟の大きい黒いシャツ。襟の先には十字架の刺繍が施されている。美しい金糸の髪は結い上げられて、形のいい耳には同じように十字架をモチーフにしたアクセサリーが複数。深紅のネクタイには装飾だろう細いチェーンがいくつも付けられていて、パンツはジャガード織りで一見普通だが、それは必要なのか?というところにファスナーが付いていた。
     正装ではないが、黒を基調とし、かっちりとしている服装は、テスカトリポカによく似合っていた。

     「あー、これか?霊衣を作ってる英霊がいるんだが、ソイツに拝み倒されたんだよ」

     なんでも第七異聞帯の記録を見たその英霊は、何かインスピレーションを受け徹夜でこの衣装を作ってくれ、ぜひ元マスターと揃いで着てほしい鼻息荒く頼まれたらしい。つまり、
     
     「……オレの分もある?」
     「ご名答!ほら、さっさと着替えろ」

     ぽいっと手渡された紙袋には、上から下までフルでコーディネイト出来るだろう衣類が丁寧に畳まれて入っていた。
     見たところ、テスカトリポカと全く同じではない。

     「写真でも頼まれたのか?」
     「おぅ、前金で3千QP渡されちまったからな。流石に取引はきちんとしたいと思うワケ」

     鼻歌でも歌いそうな雰囲気で、ご機嫌に通信端末をいじるテスカトリポカに小さくため息を吐く。
    仕方なしに取り出したのは白いシャツ。フリルが叩かれた立ち襟で、フックで止めるだけの簡易のクラバットがついている。
     紫色の天然石のようなものをアンティーク風のくすんだ金で囲んだ飾りが印象的だ。

     「それ、お前の目を意識したんだって熱弁してたぜ」

     飾りを壊さないように丁寧に扱って着替えていると、テスカトリポカは思い出したように言う。
     見ず知らずのサーヴァントが作ったとは思えないほど、デイビットのことを考えて作られており、サイズも恐ろしいほどにぴったりだった。
     カルデアには様々な英霊がいるのだと変に関心してしまう。
     パンツはテスカトリポカと型違いで同じ生地が使われているものの、ファスナーなどはないシンプルなもの。少しだけ安心しつつ、次に広げたベストを羽織る。こちらも同生地で、後ろが編み上げになっていた。
     ただ、このまま着ただけでは、しっくりこない。どうしてもリボンを解き、サイズを調整しないと身体にフィットしないらしい。
     「テスカトリポカ、締めてくれ」
     テスカトリポカにそのリボンを託すと、どこか意地悪そうに笑った。
     そして、下の方の編み上げから指を入れ、くい、くいとリボンの幅をバランスよく狭くしていく。思ったより丁寧に、そして容赦無く締め上げてくる。

     「んっ!もっと、緩くていい」
     「これくらい締めた方がラインが出て綺麗だろうが」
     「ライン?!オマエにそんな感性があったなんて初耳だ!」
     「オレは美も司ってるんだ、当然だろ?」
     「ぐっ、ぁ……っやめろっ!」

     結局、想定よりも大分きっちり締められ、身体のラインを露わにするコルセットベスト。この状態では何も食べれそうにないと恨みがましげに締め上げた張本人を睨むも、どこ吹く風だ。

     「ほう?やっぱりオマエも似合うな」
     
     テスカトリポカは、何処か満足気にデイビット単体の写真を収める。
    そして、隣に自分も並んで撮った写真も数枚収めている。
     
     「これであの鶴との約束も果たしたぜ」

     そう言いながら、ネクタイを緩めたテスカトリポカは耳を疑うことを言い出した。

     「さぁて、ベッドに行くぞ」
     「なぜ?」
     
     嫌な予感に逃げ腰になっていると、強引に引き寄せられて無防備な耳を噛まれた。
     
     「そりゃあ、オマエがエロい声出すからヤりたくなっちまった」
     「出してない」
     「はは!無意識にオレを煽るとはデイビット、オマエは面白い男だぜ」
     「煽ってないっ!」

     こちらの言葉に聞き耳さえ持たない神に、引きづられながら、この服を作ってくれたサーヴァントに心の中で謝罪をした。

     この衣装はもう使い物にならなくなるかもしれない、すまない。と。

     

     
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