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    Jack_0_Lantern_

    @Jack_0_Lantern_

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    Jack_0_Lantern_

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    ともさんの作品がどちらも後ろからだったので、前から触ったらどんな感じだろ🤔と思ってやりました。

    これも広義の猫サーと言って過言ではない。

    ##オルサー

    サーの襟足を触るのが好きなオルの話。 髪を切った日の翌朝は、オールマイトを出迎えるのが少し気恥ずかしい。髪型が似合う、似合わないの問題じゃあない。スタイルなど、一年中変えることはない。
     私の仕事場には、――正確には、雇用主には――少し変わった習慣があるからだ。
    「おはよう、ナイトアイ。あ、髪切ったんだ」
     執務室のドアが開かれると、こちらが挨拶を返すよりも先に話題を振られた。入口からデスクまではそこそこ距離があるのに、毎回よく判別できるものだと舌を巻く。
    「おはよう、オールマイト。さっそくだが今日の撮影の件で……」
     席を立ち、タブレットでスケジュールを表示する。本日のプロモーションは三件。ヒーロー業務に支障がないよう十分余裕を設けてはいるが、効率的に消化しておきたい。事前の打ち合わせは必須だ。
     だが、ページをスクロールしている途中で、タブレットが目の前から消えた。視界の端に消えた影を追えば、それはオールマイトの大きな手に収まっていた。
    「ね、それって急ぎ? 先に……いい? ちょっとだけだから」
     予測していたはずなのに、覚悟をして来たはずなのに、いざ、彼に求められると生唾を飲んで喉が震える。習慣、と言っても過言ではないほど繰り返されているのに、毎度毎度、期待に強張る体に、我ながら少し呆れる。
     そうでなくても、うきうきと、待ち切れないとばかりに彼から目を輝かされて、断れる人間などいないだろうが。
    「ああ。急ぎの仕事、では、ない」
     私の返答を合図に、オールマイトがタブレットをソファに放り投げる。彼の太い腕が、私の背へと回り込んだ。
     肉厚な指が、短く刈り揃えた襟足を弄ぶように撫でる。ちくちくと爪先に抗う刺激を数度味わったあと、彼は髪を掻き分けて地肌へと食指を進めた。
     強く押されたわけでもないのに、頭蓋を、脳を、握られてしまうような錯覚を起こして、背筋が伸びる。腹筋に力を込めて自らを抑えると、とっさに息を呑んでいた。
     ごめん、くすぐったかった? と問われたが、皮膚をまさぐる指を止めてはくれない。すりすりと乾いた感触だった場所から汗がにじむ気配を感じつつ、大丈夫だ、とだけ言い返した。
     もったいぶるように、髪と首の境目を指の腹でこすられて、思わず目を伏せる。許されるのなら、体を任せてしまいたい。そんな衝動に駆られて、目の前の厚い胸板を見ないように努めた。
     もっと、後頭部の方まで上り詰めてほしい。焦れったさに首を動かすと、言葉にするよりも正確に、彼に伝わったらしい。私の急所をすっぽりと覆った大きな掌に、頭を擦り付けた。
    「ふふ、猫みたい」
     ネコだが? あなたの。
     そう口走りそうになるのを止めるくらいには、まだ、理性は残っていた。
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    Jack_0_Lantern_

    CAN’T MAKE耳と尻尾だけ猫化したオルがそのままヒーロー活動を続けようとしてファンやパパラッチに写真撮られまくっていたので、サーが事務所まで連れ帰ってきたシーン。

    雄猫が発情期を迎えると攻撃的になるって本に書いてあったので、こんな感じで、普段なら絶対しない口喧嘩をしたあとに、仲直り発情期交尾してほしいな…という導入です。
    猫化オルサー 私の手を引いていたナイトアイが、執務室に入るやいなや、扉を勢いよく閉める。バンッ、と激しい音が、外界から私たちを遮断した。
     こちらを振り向いたナイトアイの顔は明らかに紅潮していて、荒ぶる気配を隠しもしない。普段は冷ややかさを感じる目元は、今は別人に思えるくらいに苛立たしさが滲む。ファンやカメラマンたちに押し引きされ、すっかり乱れてしまったスーツからのぞく首筋には、玉のような汗が光っていた。
    「えっと、ナイトアイ、なんか怒って……る?」
    「当たり前だろう」
     暑いな、と舌打ち混じりに吐き捨てて、彼が空いた手でネクタイを緩める。こんなぞんざいな姿のナイトアイ、見たことない。今まで出遭ったどの巨悪なヴィランよりも鋭い、刺すような迫力があって、圧倒されそうになる。手首を握られていなければ、反射的に間合いの外まで距離を取っていただろう。本能が、アラートを鳴らせる。穏便になだめて平穏を取り戻したいと思うのは、私が彼と恋仲であることを差し置いても、別におかしなことじゃあないだろう。
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