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    【フェヒュ】形見もし、本当にもしものことだ。 この戦争が無事に終わる前に、二人のうちの誰かが戦場で命を落とすことになったら…。フェルディナントはそのようなことは想像もしたくなかったが、ヒューベルトの説得の末、お互いに形見とするものを作ることにした。色々悩んだ結果,フェルディナントとヒューベルトはお互いの髪の毛を残すことにした。

    お互いの髪の毛を編んで結び目の形を作り、それをブローチの中に入れたものを二つ作って分け合った。しかし、フェルディナントの髪の毛がヒューベルトのものより長く、装飾を施すのに容易であったため、ブローチの髪の毛のうち半分以上がフェルディナントの髪の毛でできていた。

    もしヒューベルトだけ生き残った場合、その形見を見たらフェルディナントの髪が占める部分が多くて幸いだと思っただろう。逆にフェルディナントだけが生き残ったら、形見の中の短いヒューベルトの髪を見て、まるで短く切れてしまった彼の寿命を見ているようで、フェルディナントは自分の長い髪が見たくなくなるだろう。

    しかし、それはもしもの話であり、戦争中に分かち合ったその形見は、長い年月を経て、彼らの記憶から忘れ去られてしまった。遠い後日、古い物を整理していたフェルディナントが、一対のブローチを見つけ、ヒューベルトに持ってきた。

    「こういうものも作ったな」
    「ふふふ…そういえば、貴方の髪の毛こんな色でしたな」

    燃える夕焼けのようだった髪の毛と黒檀のような髪の毛が交差して仕上がったブローチ一対をのぞくフェルディナントとヒューベルトだった。長い歳月が、鮮やかな髪の色を全て持っていき、昼と夜のように対照的だった二人の髪の色は、今は白い色で二人とも全く同じ色だ。

    「今更だけど、豊かだった時期にたくさん切っておいて、かつらにすればよかった」
    「おや、とっくに昔になくなった髪の毛をいまでも名残惜しく思うのでしょうかね」
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