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    Spitz-冷たい頬
    https://youtu.be/QzJ_QUc-ygk
    ↑歌詞をほぼそのまま使ったのでアレなんですが、是非聴いてみて下さい!
    注意: 銀雪ルート・死ネタ・変な日本語

    【フェルヒュー】 冷たい頬フェルディナントは一時期同じ教室で学んだ学友の死体を確認する。

    性格も家柄も何一つ合わなかった彼とはちょっとした事でもよく争った。しかし、決して理解できない相手とはいえ、将来一国を担う若い人材だった。頻繁に起こる彼との摩擦の中で、確かにお互いに得るものがあると考えた。多分「先生」もそう考えて、とりわけ仲の悪い彼といっしょに行動するように指示したのだろう。私たちの戦いが、あの時の学生時代のようにつまらない口論だけで終わっていたらよかったのに。

    フェルディナントはヒューベルトの胸の大きな穴を見つめた。フェルディナントが与えた一撃でヒューベルトは息を引き取った。

    いつか彼を理解する時が来るかもしれないという、漠然として夢のような考えがフェルディナントにもあった。今から遥か昔に。

    いや、今日までそれのために走ってきたのかもしれない。しかし、もうお別れだ。お互いに微妙な感情だけ抱いて、決して理解できないまま。何の意味も残さずに。

    フェルディナントは死体の目を閉じようと、ヒューベルトの顔に手を伸ばした。

    死体らしい冷たい頬だった。

    いつかヒューベルトの両目を確認するために昼寝をしているような彼の髪をひっそり上げてみたことがある。いくら気迫を殺しても近づくと必ず気付く鋭い神経の持ち主であるヒューベルトも、修道院の日当たりのよい片隅で眠ることができたという事実にフェルディナントは驚いた。息をのんで片目を覆った髪をまくってみた。必ずヒューベルトの目がぱっと開いてあっという間に手首をつかまれると想像しながら。だが、予想とは違って、彼は静かに昼寝を続けた。あの時、ヒューベルトの頬は真昼の日差しに温められた空気の中でさえ冷たかった。

    その時の記憶を思い浮かべながらヒューベルトの死体に手を近づけた。今、こうやってまぶたを閉じれば、ヒューベルトが直ぐにでも起き上がりそうだという想像をしながら…。

    フェルディナントは次の戦いで会うエーデルガルトについて考えた。ヒューベルトが最後までわからなかったように、戦いに勝利したとしてもエーデルガルトの意思を決して知ることはできないだろう。帝国の暴れを防ぐためにここまで来たのに...彼はエーデルガルトには永遠に勝てないことを実感した。

    後日、フェルディナントはヒューベルトが残した遺書を聞くことになる。そこにはこれまで誰も知らなかったエーデルガルトの計画が書かれていた。たった数行の文章を通じて垣間見ることのできたヒューベルトの意志は、あまりにも不慣れで、彼らしくて。フェルディナントは一生聞いたことのないヒューベルトの激情的な声を想像してしまった。
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