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    ベリーあつふみ

    @berryatsufumi

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    ベリーあつふみ

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    ネタまとめ(自分用)

    圭ちゃん愛され/コメディ/年齢操作/アイドルパロ/女装

    ##ネタメモ

    アイドル圭ちゃん「要くん、君、クビね」

     育成担当者にハッキリそう言われる。おれは必死に諦めたくないやめたくないと訴えたがこの世界は人気が売上に直結する世界。いくらダンスや歌が出来ようがモテない男はデビューさせられないと言われた。

    「でも君がやめるとなると清峰くんもやめるって言い出しかねないよねー。うーん、専属のマネージャーになって彼らをサポートするっていうのはどう?」
    「出来ま千円! おれは女の子にキャーキャー言われるために死に物狂いで練習してきたんですよ!? マネージャーになるためにゲロ吐くまでレッスン続けたわけじゃないです!!」
    「えー……。ぶっちゃけグループには君のお兄さんがいればいいんだよなぁ。君つまんないギャグで滑るし女の子から人気ないし」
    「ぐ、うぅ……」
    「そうだなぁ。マネージャーが嫌ならお笑い枠しかないけど」
    「えっ」
    「清峰くんほどの逸材を失いたくないからね。彼を引き立たせる役に徹するなら残してあげてもいいよ。隣で馬鹿やって笑いものになる覚悟、ある?」
    「………………」
    「君って顔はお兄さんとそっくりだけど中身も人気も全然違うよね。昔からお兄さんの方がモテてたんだっけ。オーラって見えないけどわかっちゃうもんなのかな。――でも、君が養成所入るって言わなければ清峰くんもお兄さんも今ここにはいない。だから君には感謝しているんだよ、一応ね」
    「……お笑い枠っていうのだったらアイドル諦めなくていいんですか?」
    「うん。君が憧れてる王道の男性アイドルではないけど」
    「やります。どんな形でもアイドルとしてデビューしたいです」
    「そう。良かった。じゃあさっそく取り掛かろう。お客はわかりやすいエンタメを好むからね。お兄さんに女性ファンがつくなら、君は男性ファンを獲得するんだ。君は今から男の娘アイドルだよ」
    「オトコノコアイドル?」



     引き立て役というからにはグループ内での格差を甘んじて受けなければならないのだと思っていた。しかし格差というより全然違うもの、異分子を混ぜて歴史上類を見ないグループにする狙いらしい。属性の振り分けの一つ、と担当は言っていたがこれがエンタメとして成立する確証はない。批判されるリスクの方が大きいとも。
     おれに選択の余地はなかった。世間の笑いものになってもみんなと一緒にアイドルになれるならどんなことだって乗り越えてみせる。そう決意した、はずだったが――。

    「どんな形でもいいとは言ったけどさぁ、これは流石に恥ずかしすギルティ……」

     フリルとリボンがふんだんに使われたステージ用の衣装はパフスリーブとミニスカートで頭にはカチューシャ、足元は厚底ロングブーツという構成だった。鏡の前で見た自分の出で立ちに羞恥が込み上げる。似合わない。男なのだから当たり前だ。骨格と筋肉でふんわりとしたデザインの良さを殺してしまっている。

     控え室でウロウロとする。女装好きの変態しか喜びそうにない姿で人前に出なくてはいけないなんて、と頭を抱えていたところに育成担当者がやってきた。
    「着替えは終わった?」
     無遠慮にドアを開ける担当者の後ろに葉流ちゃんと兄がいる。女装しているおれに二人は驚いていた。
    「ふむ。サイズはピッタリなようだね。面白いかどうかはともかくこれなら色物キャラとしては充分かな」
    「……圭ちゃん、何でスカート履いてるの?」
    「まぁ、いろいろあってさ……」
    「同じグループとして最低限、衣装のテーマは合わせてあるよ」
    「そういう問題か? ……短すぎるだろ……」
    「お兄さんは弟くんのパンツが見えないか心配かい? 大丈夫だよ、パニエがあるから。といっても見えそうで見えないフリフリスカートはそうとわかっていても気になってしまうよね。だからこそ履く意味がある。これで男性客の気が引ければ良し。ファンを増やすためには多少の露出も必要だ」
    「よくわかんないけど、オレはいいと思う。圭ちゃん、凄く可愛い……」
    「そ、そう? おれは結構キツいと思うけど……踊りやすそうではあるかな」
    「安心しろ。お前が思ってるよりも違和感は感じない」
    「ありがとにぃに。ステージに立つからには堂々としてないとね」
    「そろそろ会場へ向かおうか。待ちに待った君たちのデビューだ。絶対に成功させよう」
    「はいっ!」

     アイドルグループ『コテッコ』。清峰葉流火、要兄弟、藤堂葵、千早瞬平の5名は同じ養成所で出会い、共に切磋琢磨して芸の技術を磨いてきた。ここにはのちにマネージャーになる山田太郎も所属している。彼らを育成してきた担当者の役目はここで終わり。これからは彼らの力でアイドルの頂点を目指さなければならない。

     幕を開けたステージへ飛び出していく養成所の問題児。彼を見届けた担当者は誰にも聞こえない独り言を零す。
    「兄弟を同じグループでそのまま売り出すのを社長に却下された日はどうなることかと思ったけど要くんが男の娘キャラを了承してくれて本当に良かった。大変なのはこれからだ。頑張ってね要くん」

     控え室では不安そうな顔でいたのにザワつく会場をモロともせず歌い踊る男の娘アイドル。楽しそうに眩しい笑顔を振り撒く彼に観客は釘付けになっていた。デビュー前は兄ばかり騒がれて誰からも見向きされなかった彼が他のメンバーと同じように輝いている。
     兄の女性ファンが団扇を振りながら「圭様ー!」と叫ぶと、弟の男性ファンが負けじと「圭ちゃーん!」と叫んだ。その後も「キヨー!」「藤堂くーん!」「千早くーん!」とコールが続く。5人は観客席へ笑顔で手を振って答えた。



     コテッコの鮮烈なデビューは全国へ生中継され、その映像はライバル会社の役員にも届いた。アイドルグループ『帝徳』のプロデューサー岩崎はテレビの前で「ふぁー!」と言いながら膝から崩れ落ちる。
    「プ、プロデューサー!?」
    「大丈夫ですか!?」
    「ダメだ、白目剥いて泡吹いてる!」
     帝徳のアイドル陽ノ本、国都、飛高たちが倒れたプロデューサーを心配しつつテレビを見る。そこにはピンク色の衣装でダンスしながらカメラにウインクしてる可愛いアイドルがいた。
    「え、誰この子……めっちゃ可愛い……」
     飛高が頬を染めて言うとバックダンサー組の久我と増村が首を傾げた。
    「コテッコって男性アイドルグループじゃなかったか?」
    「男女グループになったんじゃない?」
    「いえ、彼は男の子ですよ」
     二人の疑問に国都が答えて小里が頷く。
    「それでプロデューサーはああなったのか」
     急にむくりと起き上がった岩崎が話題の彼について話し始めた。
    「要圭くん。兄の智将くんとお揃いの芸名にしてしまったお茶目な14歳。コテッコの4人は圭くんよりも三つ年上だから圭くんは末っ子的存在で4人からそれはもう大変可愛いがられているらしい。彼は幼少期からプリティな天使だったからねいつか変身するとは思ってたよ。まさかこんな形だとは思わなかったけど……」
    「なんか語り出した」
    「長くなりそうだね」
     飛高と陽ノ本がプロデューサーの様子について話していると国都がソワソワしながら言う。それに千石が答えた。
    「彼は男の子ですが今は可愛い女の子にしか見えないですね」
    「それが男の娘だ。俺たちのような男にしか見えない男とは違って、仕草や表情、身につけているもの全てを使って可愛さで殴ってくる。可愛すぎて女の子にしか見えなくともよく見れば体は男だし俺たちと同じものが付いてるぞ」
    「やめろ! 素直なやつらが想像しちゃうだろうが!」
     増村が慌てて止めるが時すでに遅し。国都と飛高は生唾を飲み込み、陽ノ本は照れまじりの苦笑いをした。帝徳アイドルを我が子のように愛するプロデューサー岩崎は武士のような顔で思春期の男の子たちを理解してあげる。
    「ライバルたちのことは知っておかねばなるまい。今度一緒にコテッコのライブに行こう。わたしは箱推しだが別に圭くんの可愛さを生で浴びて欲しいと思って言ってるわけじゃないぞ」
    「浴びて欲しいんですね……」
    「沼らせる気満々じゃないですか」
     千石と小里がプロデューサーへ控えめなツッコミをする。職業柄、アイドルの卵をデビュー前からチェックする岩崎がコテッコを知っていたのは納得だがすっかりグループのファンになっていることを知る帝徳メンバー。そして帝徳アイドルの国都、飛高、陽ノ本が揃ってコテッコの男の娘にガチ恋することになるなどとこの時は誰も想像していなかった。



    ▷◁◇▷◁◇▷◁◇▷◁◇▷◁

    二遊間を入れられなかったのでここで補足。
    女装姿をからかいつつ、内心圭ちゃんが決めた道を応援してくれている二人。アホがちょっと可愛くなったなぐらいに思ってる。

    デビューしたあとの話。
    男の娘アイドルとしてもっと可愛くなりたい圭ちゃん。コテッコのお兄ちゃんたちは末っ子圭ちゃんのことが大好きなので圭ちゃんをもっと可愛くするべく秘密の特訓を始めます♡
    お兄ちゃんたちは代わる代わる圭ちゃんを愛でてあげました。お兄ちゃんたちにたくさん愛してもらった圭ちゃんはどんなアイドルにも負けないくらい可愛くなり、お兄ちゃんたちとも前より仲良しになります。だからコテッコのお兄ちゃんたちと末っ子圭ちゃんはとーってもラブラブ♡
    控え室でイチャイチャするようになります。でもお仕事前はイチャイチャし過ぎないようちゃんと我慢してお仕事後にお兄ちゃんたちは圭ちゃんにたくさん癒してもらうのです。
    圭ちゃんにはもう特訓の必要はありません。お兄ちゃんたちは元々圭ちゃんを愛でられればいいだけ。これ以上可愛くなる必要はないと思っています。
    圭ちゃんはお兄ちゃんたちに何度も「可愛い」って言ってもらえたので自信がついていました。自分が可愛いということをやっと自覚出来たため、お兄ちゃんたちが自分を可愛いがりたがるのも自然なこととして受け入れています。だからお兄ちゃんたちからずっと「可愛い」って言ってもらうために努力を続けるのです♡
    そして圭ちゃんはハイパープリティアイドルへと進化してファンとガチ恋勢をどんどん増やしていったのでした。

    めでたしめでたし♡
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    Replies from the creator

    ベリーあつふみ

    DONE書き殴りメリバ

    智主と葉流主
     死んでから異世界、ではなく地続きの現世に転生したおれはもう一度『要圭』という名前を両親からもらう。しかし実親も、暮らしてる場所も、何もかも違う別人、同姓同名の他人として生きていた。
     前世は赤ん坊の頃に思い出した。未発達な脳には情報過多だったためキャパオーバーで知恵熱を出したりもしたが今は現世の記憶と今世の記憶を分けられるほど成長したので落ち着いている。

     そもそもおれの場合、人間としての死というより人格としての消滅だったっぽいので死んだという実感はあまり無い。痛みや死の恐怖があったわけでもなかった。
     ただ、ある日を境に精神世界で透明な壁に阻まれ、おれの声がもう一つの人格である智将に届かなくなった時はとても悲しかった。この時からおれの体が砂のように崩れていく幻覚を見る。智将も砂時計が落ちる早さでおれの存在を忘れていった。でも、智将の周りには頼れる友がいた。彼がおれを忘れたところで何の不都合もない。だからおれは安心して消えることが出来た。精神世界での体が全て砂粒に変わる最期の瞬間までおれの声が智将に届くことはなかったが、それでも別れの言葉を伝えたかった。
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