それは確かに人望である完全に酔っ払ったクライゴアを背負って帰宅した。そのままホテルのどこかに泊まることも考えたが結局連れ帰ることにしたのは、いつもと勝手が違うと色々面倒だったからだ。
ペニーはクリナがついて帰り、そのまま泊まることにはしているため面倒だが今からクライゴアの世話を一人で始めなければならないが仕方ない。
とりあえず水の一杯くらい飲ませとこうと思いすぐやかんで沸かし始めると、クライゴアは勝手に冷蔵庫からビールをだして飲み始めた。
「まだ飲むンデスカ?」
「たまにはいいじゃろ?今日はワリオカンパニー創立記念じゃからぁ〜」
そう、だから先ほどまでどんちゃん騒ぎで創立記念パーティーをしていて、ファイブワットと自分とクリナが作った料理やピザ、各社員が好きな料理や飲み物を持ち寄って日が暮れる前からパーティをしていて日付が変わる前に背負って帰ってきたから理由は知っている。
今日アンタどんだけ飲んだと思ッテルンデスカ!と言ってやりたいがどうせ明日二日酔いか腹痛で苦しむかと思ったらどうでも良くなった。
(ソレニシテモ……皆会社ヘノ愛がちゃんとあるデアリマスナ)
特に設立当時のメンバーは愛が強いとマイクは思った。途中入社したメンバーは自分も含めて楽しめる場所としか認識していない。
だって別に給料が出るわけでもないのだから。そう考えると本当に初期メンバーの愛が目立ってくる。
「クライゴア」
「何かねぇ?」
「なんでワリオカンパニーの社員になったデアリマスカ?」
「ふははっ、愚問だぞマイクゥ〜。私はね、好きに好きなことが出来るから社員になったのだよ」
「ハ?」
「3日前にぃ、来ただろ?どこかの社長が」
3日前じゃなくてさっき日付が回ったから4日前だ、マイクはその人物を思い出す。
やたらとしつこくクライゴアに会いたがっていた人で、毎日何度も電話がかかってくるから仕方なく会ったら、ぜひうちの会社の社員として働いてほしいという願いだった。
それをクライゴアはすぐに突っぱねた。
きっとその社長はクライゴアがワリオカンパニーの社員であることは知っていたが、大学に所属してることは知らなかったらしい。
ソンナコトアルカ?マジそう思ったマイクは土下座している社長を無理矢理立たせて、その間にクライゴアは逃げるように帰った。
その社長は若く、新しく会社を立ち上げたばかりだったとはいえ、毎年ノーベル賞取ってるやつのことを知らないのはマイクでもおかしいとわかった。
……で?この話とその話なんの関係が?と3分ほど考えてから首を傾げた。
「ワリオカンパニーは縛りがないのだよぉ、それは理解できるかね?」
「ハイ、クライゴア」
「私はこれまでも沢山お偉いさんがやってきてだよぉ?あれこれ作ってほしいとか、言われるのだがね、どれも夢がないんだ、縛りがある。例えばだよ?冷蔵庫を作ったとする、ちょっと私がアレンジ加えると向こうは嫌がるのだよ、商売だからねぇ〜」
「ハァ」
「ワリオ君はぁ、昔から私のデザインをそのまま使ってくれるしぃ、気に入ってくれるからぁ…ゲームだって普通あんなにうんちが出てるものなんて普通の会社だったら世間を気にして出せないぞ?」
「ソウナンデスカネ」
「だから私は好き勝手出来るワリオカンパニーが大好きなのだよ〜
まぁワリオカーやワリオバイクの速度制限変えることになったのは残念だが、ワリオ君も渋々で納得はしていなかったからそれも嬉しかったな、あとな?昔ワリオ君がぁ」
マイクはふと気づく。
コイツもしかして会社を愛しているというよりかはワリオに惚れ込んでいるのではと
それにクライゴアは気づいていない?
もう日付は変わったのにノリノリで話すクライゴアを止めようとは思わなかった。