「マイクお前ちょっと太っただろう」
クライゴアの言葉に「ハァ?」と声を上げた自分はロボットだ太るわけがない。
最近自分の食べられるものがちょっと増えてパクパク食べるようになったとはいえやれやれと首を振る
「自分、ロボットデアリマスヨ?」
「ちょっと体重測ってきなさい」
なんだよ面倒だな、そう思いながらも体重計に乗り、降りて、また乗る
おかしい
自分の体重は90キロ前後だったのに150キロになっている。
マイクは急いで姿見を見て確認するが前より太ったと言われる変化はないからクライゴアにこの不思議を報告するために研究室に戻るとクライゴアがさっきまでマイクが座っていた椅子をなにやら触っていた。
「ナンデスカ?」
「いや、それよりどうだった?」
「30キロ増エテマシタ」
少しサバを読んだがクライゴアは気づいてないらしい。
「なるほど、焼却しきれてない食事が30キロもあったのか」
体の仕組みをまた改めて説明される
今マイクの体の中は火力発電所的な自己発電システムが入っていて、口径接種された食事は乾燥圧縮、それが体内で燃やされることにより電力を生み出していることを
「1日の食事量と焼却量があってないんだよ、ちょっと痩せなさい」
「大きなお世話デス」
クライゴアの手から椅子を取って座るとその瞬間椅子が勢いよく潰れてマイクは尻を強打した
それもそうだ
150キロの金属が乗っていたのだからガタが来ていてもおかしくない。
逆に今の体重でクライゴアの体に乗ったりなんかしたら確実に怪我するし危ないことに気づいて青くなり震えた。
「痩セマス」
「うん、頑張りなさい」
と、言ったもののクライゴアの食事中口が寂しい。いつもならクライゴアの食事と一緒に自分の分も作り、食べている。しかもクライゴアの食べ終わるまでの食事スピードに合わせて自分の量を作るからいつもの半分にしたら全然足りない気がした。
ちなみに食べているのはなんの味付けもしていないパスタだ。
「たった30キロだ。お前はロボットだから運動量を増やせばその分ちゃんと一定量消費されるから無理に食事制限しなくても10日くらいで痩せられる」
イエ、違うんです
正しくは30キロ増加ジャナクテ60キロ増加ナンデス……1ヶ月クライカカリマス………
そうは口が裂けても言えないマイクは口をもごもごさせたあとポンと手を叩いて席をたった。
「クラブサトーで踊ってくるデアリマス!」
「だーめ、門限過ぎてるだろう?」
「エー!」
「それに今行ったら怪我人が出るぞ?」
「ヴッ………ワ、カリマシタ………」
そもそもこの体のどこに60キロの塊が収納されているのか、マイクは首を傾げながら自分の体をトントンと叩く。
そもそもクライゴアがこの塊を取り出してくれればすぐに痩せられるじゃないかと少し苛立ちながら自分の食器を片付けた。