銀時がハグをねだってくる話。「高杉、ん。」
銀時がこちらに腕を広げてこちらを見つめてくる。
この生活を始めてから銀時はよくこうして互いを抱きしめる行為をねだってくるようになった。
それに応えるようにこちらからも腕を広げて銀時を腕の中に収める。
そのまま頭を撫でてやれば俺の肩に頭を埋めてぐりぐりと甘えるように頭を動かした。
そのまましばらく抱き合ったままゆるりと時間が過ぎる。
互いの鼓動が重なり、体温が混ざりあってゆく。
昔はハグなどする様な仲では無かったし、俺は誰かにされた記憶も無かった。それ故にしようとする考えすら思いついたことはなく、こうして銀時がねだるようになって初めてこの行為の温かさを知った。
銀時がこの様な行動をねだってくるようになった理由はおおよそ見当はついていたが、俺もこの時間が愛おしく、気に入っていたのでとやかく言うつもりもするつもりも無かった。
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