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    れれれ

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    れれれ

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    なんかもう既にくっついてる高銀がバカップルしてるだけの話です…内容0語彙力0なので読んでいただける方は頭空っぽにして読んでください…(涙)

    松陽に育てられた蛟高杉と九尾銀時が人間の学校に行く話江戸の頃から生きている2人はよく何かと競い事をしながら生活していた。とはいえなにぶん山で出来ることには限りがある、そこである時から松陽に習った人間に化ける妖術を使って山を降り、人里へ遊びへ出かけたり大人達にイタズラを仕掛けに行っていた。


    時代は令和に移り変わった頃、銀時が一緒に人間の学校に通ってみないかと提案してきた。
    高杉は少し興味を持ちつつも松陽と離れるのが気になるのか松陽をちらちらと見ていた。
    横で聞いていた松陽はその視線に気づくと

    「そうですね、2人とも私が目を離した隙に人里に降りていた成果が出たのか、近頃は2、3日変化していられるようになったみたいですし、行ってみるのもいいでしょう。妖怪にとって3年など瞬きの間ほどの時間ですしね」

    松陽はニコッと笑いながら
    「食事は銀時の様には作れないかもしれませんが…まぁ食べれるレベルには作れるでしょう…きっと…恐らく…」
    だんだん自信がなくなっていたが送り出そうという気持ちは高杉には伝わったようだ。
    「ふっ、先生に言われちゃ断れねェな。ぎんとき、足引っ張ったら許さねぇぞ」

    「お前何自信満々に言ってんだ!料理も作れねぇ怪力バカの癖に!毎回まな板駄目にしやがって!お前アレだからな、俺が料理担当すっから掃除か洗濯しろよ!!大体変化の術も俺の方が先にできるようn」

    「あ"ァ?あんなのほぼ同時だろうが!そもそも変化の術は狐の十八番だろ、てめェは出来て当然だ」

    いつものように喧嘩が始まったのを2人の横で微笑ましそうに見ていた松陽はほんの少しだけ「うーん、時期尚早でしたかね……」
    と心の中で呟いたのだった。


    *******


    そして訪れた桜の舞う季節。
    2人はある高校の近くにあるアパートに暮らし始めた。どこに家賃が払える金があるのかいうと松陽が管理している神社のお賽銭のお金を松陽から渡された。近頃は御祈祷や地鎮祭の仕事にプラスで不労所得なるものがあるので、お賽銭のお金には手をつけていなかったのだという。
    それでもお賽銭のお金を使うなんて罰当たりだと思うかもしれないが、その神社に祀られている神様というのが、はるか昔に村を救った松陽自身なのだ。神様自身が自分の神社を管理しているなんて冗談みたいだが、ともかくその松陽が渡してきたお金という事で素直に2人は使わせていただくことにした。

    初めに言っていた通り料理は銀時、掃除は高杉で洗濯は毎日交代制にした。
    また、戸籍がどうの手続きがどうのは松陽がやってくれたらしい。

    「善は急げです。受験の申し込みはしておきましたから、1週間後にここへ行って試験を受けてきてください。君たちならきっと受かりますよっ」

    と学校に行く話をした次の日に受験票を渡された2人はそれはもう驚いた。
    高杉だけは流石ァ先生だ…と誇らしげに言っていた。



    *******


    そんなこんなで迎えた入学式、校門の前に居た銀時は緊張した面立ちで立っていた。

    「アホ面して何つっ立ってんだ、早く行くぞ。てめぇが初日から寝坊したせいで時間ギリギリなんだぞ、分かってんのか。」と一緒に歩いてきた高杉が後ろから銀時に声をかけてきた。

    「誰の顔がアホ面だてめぇ!…しょーがねぇだろ?お前と念願の高校通えるんだから…そりゃあ、楽しみで眠れない夜の1つや2つあらァ……」
    銀時は顔を見られないようにそっぽを向きながら言うが赤くなった耳は高杉の目にしっかりと写っていた。

    「…ッてめぇは……」
    堪えるように手を額に当てて俯く高杉。
    いつもはつんつんしていて警戒心の強い猫の様なこの男はこうしてたまに突然デレてくるから困る。特に二人で暮らし始めてからというもの松陽が居ないせいかその頻度が高まっていて高杉の心臓が休まることがない。
    もう入学式など行くのは辞めてここでキスでもしてしまおうかと思っていると

    「そ、それにあのジャンプでしか見た事のない"JK"がいんだぞ!!そりゃあ思春期の銀時くんもこれからの高校生活に思いを馳せちゃう…ぐへぁ!」

    銀時が言い終わる間もなく高杉の鞄が銀時の後頭部にクリーンヒットする。
    「何すんっっだテメェ!初日だから軽いカバンだったものを、ぎんさんの後頭部凹んだらどーすんだっ」

    後頭部を抑えながら前をスタスタと歩いていく高杉に叫ぶ。

    「何が思春期だ。どう考えてもおっさんの言う台詞にしか聞こえねェよ。この時間のねぇ時に人の感情ジェットコースターみてェにしやがって…」

    「はぁ?何言って…」

    「早く行くぞ」
    もう随分先を歩いている高杉に止まる気配はない。

    「ちょ、待てよ!おい!たかすぎ!!」
    と高杉に叫びながら銀時は走り出した。



    *****

    入学式を終えた帰り道、銀時は「初日からこんな一度に教科書やらなんやら持って帰らせるのはいかがなもんかねぇ」と愚痴りながら、ちらりと隣の男を見た。

    と同時に入学式後のホームルームの時間を思い出す。

    結論から言うと、隣の精悍な顔つきの男は初日からそれはもうモテモテだった。
    ホームルームの前から「あの私〇〇中だったんだけど、高杉くん?は何中だったの?」と近くの女子に話しかけられると、その女の子が最初のペンギンのだったかの様に次々と近くで気を伺っていた女子たちが「名前なんて言うの〜?」「学校何で来たの〜?」などと集まってきて、高杉はあっという間に囲まれていた。
    それを驚愕の目で見つめていた銀時は正直内心穏やかではなかった。名前の順で決められている席は横でいえばそう離れていないとはいえ、銀時が前から2番目の席、高杉が一番後ろの席で距離は十分に離れていると言えた。
    元来銀時は付き合ったら独占欲が強い方だ。目の前で恋人が異性から好意の向けられているのを見て、冷静でいられるほど成熟してはいなかった。

    (え?なに?なにこれ、やだこれ、アイツなんっであんなにモテてんのォー???(汗)え?そういう感じ?もしかしてこれからずっとそういう感じ〜〜?!?!.........そういえば昔から人里へ降りる度に女子から話しかけられて何かと貢がれてた様な…)
    思考が脱線しつつも聞き耳はしっかりと立てて女子と高杉の会話を聞く。高杉は「家この辺なの〜?」と聞かれても「さぁな。」と返し、「目の色緑なんだ〜!かっこいいね!!」と言われても「そーかィ。」と全ての言葉に淡白に答えていた。しかし逆にそれがかっこいいのか、熱が収まる気配もなく周りの女子たちはキャーといいながら次から次へと話しかけていた。


    思考はが帰り道へと戻る。
    (こいつまさか、やっぱり女の魅力に気づいたとか言わねぇよな…流石にあの態度でンなこと思ってる訳ねぇもんな??
    …とはいえ高杉があそこまでモテるのは計算外だった…このままじゃ俺と高杉の甘い学校生活が、少女漫画の様な甘酸っぱい学校生活になっちまう…)

    「…どーすっかなァ…」


    そう呟く銀時の横で高杉も銀時を見つめながらホームルームが終わった後の事を思い出していた。


    元々高杉は学校というものに毛ほども興味はなかった。勉強は松陽が教えてくれるし、飽きたと言いながらも毎日勝負してくれる銀時と共に穏やかに毎日を過ごせれば、他に望むものなど無かった。
    しかし偶に二人で松陽の目を盗んで人里へ遊びに出かけるうち、銀時は次第に人の世界に興味を持つようになった。人間の作った甘味という食べ物や書物を好むようになり、遂には学校に通ってみたいと言い出すようになった。
    初めは行ってどうすると考えていた高杉も、お前と一緒に手を繋いで登校してみたい、お前と授業中にこっそり紙で会話してみたい、お前とお昼に屋上で俺が作った弁当一緒に食べたい、帰りはお前とアイス半分こして食べながら帰りたいと銀時が高杉としたい事を挙げていくうちに今とはまた違う他愛ない日常もいいかもしれないと思い始めた。
    しかし目の前の光景を見ていれば段々とその気持ちも少しだけ薄れてきていた。



    目の前では銀時が男子生徒数人に話しかけられている。目を引く銀髪のせいで話しかけずらかっただけなのか、一度話してみるとただのジャンプ好きの少年だと分かって銀時の周りに人が集まってきていた。問題はその距離の近さだ。男子高校生特有の近さで初対面にも関わらず銀時の肩に腕を置いたり、銀髪の髪を触ってみたりしている。

    (何を好き勝手触れさせてやがる…)
    ホームルーム後も相変わらず女子に囲まれていた高杉が違う意味で熱い視線を送っているが前にいる銀時は全く気づかない。
    話しかけてくる女子の会話を一言、二言で返しながらどうするかと考えを巡らせていた。
    (今すぐにでも引っペがして連れて帰りてェが、元々銀時はあぁやってクラスメイトとやらと話すのを楽しみにしていた。今楽しそうに話をしてやがるアイツの邪魔をするのは気が引ける……が……そのままにしておくのも…我慢ならねぇ)
    高杉は決心した様に立ち上がると「銀時、帰るぞ」と後ろから声をかけた。
    「おー、わぁった!」と気づいた銀時が立ち上がると隣にいた男子が「友達?」と聞いてきた。
    銀時は嬉しそうにニヤッと笑うと「幼馴染!またな」と言って高杉と教室を後にした。


    思考が帰り道へと戻る。高杉もまた今日の様な事が続くのは嫌だった。
    (こいつァ不思議と人を惹きつける力がある…分かってはいたが、楽しそうに笑ってるこいつの邪魔をしたいわけじゃねぇ…
    俺とアイツの関係を教えるなんざ簡単だが、コイツはきっと人間が送る普通の学校生活ってやつも過ごしてみてぇんだろ。俺とやりてぇ事とは別に。
    …人間は寿命の短い種族だ、だからこそ男女で番い、子を作る。俺達ァ種族なんて関係なくともどんな形で逢おうとも、きっとこうして恋人ってヤツになっていただろう。だが少なくとも人間が同性で付き合うってなァ少ねぇらしい。少数派のやつが多数派の奴らにどう見られるかなんて昔から知れてる。決めつけてェ訳じゃねぇが、ただ少しでも銀時が望む学校生活ってやつの妨げになるなら……言わねェ方がいい。)
    そうは分かっていても今日のような光景を見て耐えられる自身もなく、考えが堂々巡りになってゆく。
    結局この日の帰り道はお互い会話もなく帰ってきた。


    夕飯時
    「た、高杉、今日さぁ…高校、どうだったよ」

    銀時が声をかけると、高杉は筍ご飯に箸をすすめているところだった。
    今日は筍ご飯に焼き鮭、あさりの味噌汁と旬の野菜を使った料理が多い。
    銀時は旬の食べ物を使って料理を作るのが好きなのだ。長い年月を生きる妖怪にとって年月の流れを感じられるものは貴重に思えた。それを知っていた松陽はよくその季節の旬の食材を買ってきてくれていた。

    「あァ、悪くなかった。てめェと並んで高校とやらに歩くのも、てめェが嬉しそうに笑ってやがるのを見るものな…」

    箸を止め、銀時を真っ直ぐに見て呟く。
    「俺の事ばっかじゃねぇか!ほら、クラスメイトとか…よ…」

    「…俺ァてめェと学校生活ってやつを送れりゃァそれでいい。クラスメイトなんざにははなから興味はねェ。」

    「…でもお前俺のこと見もせずに女子と話してたじゃねぇか」

    「そらァお前だろ、銀時。クラスメイトとやらと楽しく話すのはいい、が簡単にてめェの身体をいいように触らせてんじゃねぇ。」

    高杉の言葉を聞いた途端ゲホゴホッとお茶を飲んでいた銀時は咳き込んだ。

    「…はぁ?!いやらしい言い方すんじゃねぇよ!少し髪触られたぐらいだろ?たしか…」

    「少しじゃねぇ、肩だって触れられてただろ。俺の銀時が減る。」

    「いや減らねぇよ!!…つかそもそも俺のってなんだ!いつからてめぇのもんになったんだよ俺は!!」

    「…違ぇのか」

    「………違うに決まってんだろ…」

    こちらの心を見透かすようにニヤリと笑いながそう言う高杉の目を避けるように銀時は顔をそむけた。

    「それに……てめェは俺が女子と話していた事が気に食わねぇようだが、俺ァクラスメイトとやらを無下にすりァ俺と一緒にいるてめぇェまで印象が悪くなんじゃねェかと心配して、親切に返事してやってたんだ。送ってみてェんだろ…普通の学校生活とやらを。」

    「………」

    まさか自分の為にそんな事まで考えていたのかと銀時は驚きを隠せないでいた。
    確かに高杉は銀時の望んでいるものを与えるのが好きだった。昔、「熊肉ってどんな味すんのかな〜食ってみてぇよな〜」と銀時が何気なく言った翌日に「ほらよ。」と言ってどこから捕まえて来たのか生きた熊を三匹程縛って連れて来たり、「俺泳げねぇからお前の好きな湖じゃ一緒に遊べねぇな…」と銀時が呟くと松陽に聞いて作ったらしい小舟に「乗れ。これで何処でも一緒にいられるぞ。」と強制的に乗せられたり、「彼女欲しい…」と銀時が燃えていると「安心しろ、俺が居るだろ。心配しなくても一生一緒に居てやる。」とまだ恋心を自覚していなかった頃の銀時には訳の分からない事を言ったり、とにかく昔から銀時が言った事は忘れずに覚えていてどうにか叶えようとしてくるのだ。
    それを思い出した銀時は、はぁ〜〜〜とデカイため息を吐いた。

    「あのねぇ、俺は確かに昔高校で何したいアレしたいとは言ったけど、そんな事お前と学校生活楽しく送りたいっつーお前との願いに比べたら微々たるもんなの!クラスメイトと話すのだって楽しいけどさ、出来れば学校に居る時だってだってお前と話せる方が嬉しいに決まってんじゃん……」

    「……じゃあてめェが言ってた俺としたい事ってのをして、普通の学校生活が送れなくなっても構わねぇってのか?」

    「??例えばどれよ」

    「俺と手ェ繋いで学校に行くだったか、他の奴らに見られたら噂だってきっと立つぞ。それによってお前の想像してた学校生活ってやつは送らせてやれねェかもしれねぇ。」

    「...……なに、晋ちゃん俺が言った手繋ぎながら学校行くってやつ、もしかしてしたかったの??けど気ィ使って我慢してたの??」

    「あァ。」

    少しバツが悪そうに目を逸らしながら高杉は言った。そして、突然のカミングアウトに銀時は戸惑っていた。
    (どうしよう、心臓キュンキュンして止まらないんだけどォォォなにそれ!何その理由!俺の心配を返しやがれ!!どこが甘酸っぱいだ!あんこといちご牛乳一緒に飲むくらい甘いわ!あッ、美味しそう…後で試そ♡…じゃなくて!どう考えてもこんな可愛い恋人優先しないとか有り得ないでしょうが」

    精一杯冷静な顔を保ちながら銀時は話し始めた。
    「高杉、俺ァてめェと青春しにここまで来たんだ。確かに昔学校通ってみてぇとか色々話したけどよ、あン時お前が行かねぇっつってたら俺は今ここに居ねぇで、てめェとまた競い事でもしてただろうよ。つまり、俺とお前がイチャイチャして他の奴らにどう思われようと俺は構わねぇってこと!!」

    銀時はニッと笑ってみせるとわかったか?と言い聞かせるように聞いてきた。

    「あァ。余計な心配だった見てェだな…」

    高杉がふっと笑いながら言うと、銀時は「おうよ、早くしねぇと味噌汁冷めちまう」と食べかけの食事に手を伸ばすのだった。





    後日談
    可愛いモブ君の観察記


    僕には最近気になっている2人がいる。
    1年Z組の坂田銀時君と高杉晋助君だ。
    彼らは初日から注目の的で精悍な顔立ちと同じ人間とは思えないほど妖艶な雰囲気をもつ生徒と、珍しい銀髪の地毛を持つ何故か惹きつけられるような魅力のある生徒が入学してきたと話題になっていた。
    けれどもっと話題になったのはその翌日、2人が手を繋いで登校してきた事だった。2人が幼馴染だという事は皆言伝で知っていたが、まさかそこまでの仲だとは誰も気づか無かった。一緒に登校した事や、下校して行ったのを見ても教室で二人で話しているところは見なかったからだ。
    しかし翌日から、初日が嘘のように教室でも二人で一緒に居るようになったのだ。それでも手を繋いでいたのは流石に見間違えなんじゃないか、そこまでの仲では無いのではないかと疑う声が多かったが、二人で話している時の表情を見たり帰りも手を繋いで帰っているところを見れば誰もが2人は恋人同士なのだと気付かされた。
    同じクラスの僕はそれから2人を目で追うようになっていた、彼らだけで喋っている時の幸せそうな表情を見る度にこちらまでなんだか幸せな気持ちになったからだ。他の皆もそうみたいで気持ち悪がる人はほとんどおらず、2人は熟年夫婦の様な扱いになっていった。

    そんなある日、僕は所属している委員会の仕事が長引いてしまい窓の外を見やると既に夕日が沈み始めているのが見えた。それでもやっと帰れそうだと安心していたところ、ある空き教室に人影がある事に気が付いてちらりと覗いてしまった。
    そこには机に突っ伏してすやすやと寝ている坂田君と橙色に染まった空を坂田君の向かいの椅子に座って眺めている高杉君がいた。
    高杉君はふと坂田君に視線を移すと、坂田君に顔を近づけ何かを呟いた。

    その瞬間ガバッと起き上がると
    「てめェ...本当に突然そういう……!」
    といいながら少し顔を赤らめていた。

    「やっぱり起きてやがったか」
    とふっと笑いながら高杉君が言ったが僕はその言葉があまり耳に入らなかった。と言うのも、坂田くんが起き上がった瞬間、坂田君の頭から狐の耳のようなものが生えてきたように見えたからだ。僕の見間違いで初めから狐のカチューシャの様なものを付けていたのかもしれない、だが有り得ないが有り得るかもしれない可能性の前に僕は2人から目が離せなくなった。

    「お前の熱い視線浴びてたら起きちまったよッ…ったく…てめェはよく恥ずかしげもなくンな事言えるな……」

    「何も間違ったこたァ言ってねぇからな。俺ァ今も昔もてめェを愛してる。俺にはお前だけだ。」

    高杉くんが最初に何を言っていたのかが分かったと同時に坂田君の顔がぶわっと更に真っ赤になるとその瞬間、ふわふわとした九つのしっぽがぼんっと生えてきた。
    「てんめェわざとだろ……わざとやってんだろ!!銀さんのいたいけな心を弄びやがって!!お前アレだろ、この夕日に照らされたエモい教室に頭やられてんだろ?こんな所でも厨二病発揮しやがって!」

    皆に夫婦漫才だと言われている2人の喧嘩を見ている僕はたった今見た光景を信じられなかった。坂田くんの腰から生えているしっぽはとても偽物には見えないし、頭から生えている耳も先程から2人が会話をする度にピコピコと動いていた。

    「誰が厨二病だ!やられてんのはてめぇの頭だろ、耳もしっぽも隠せてねェぞ…!」
    ハッと坂田くんはその時初めて完全に変化の術が解けた事に気づいたようだった。

    「こ、ここれはアレだよちょっとしたストレッチっていうか??しっぽの付け根がムズムズしてただけだし〜〜??決してお前の言葉にドキドキして気ぃとられたとかじゃないからないからね、勘違いしないでよね!!」
    焦るあまり、お手本のようなツンデレ台詞を吐いている坂田君。

    「あァ…テメェの考えてることなんざなんだって知ってる…だがてめェも何か言うことがあるんじゃねぇのか…銀時ィ…」
    高杉君は坂田君に近寄り、耳元で囁いた。

    「〜〜〜〜ッ……お、おれも…すき」
    と坂田くんが言ったあと高杉君が坂田君の頭を引きよせ、夕日の光に重なって2人の唇が触れた

    その瞬間高杉君の目がこちらを向いた
    そのさっきまでとはうってかわった鋭い眼光に僕は驚いて慌ててその教室を後にした。



    *******





    「なァ、たかすぎ…...…今誰かが走ってく音聞こえなかった?………」

    「あァ、聞こえたな。」

    「聞こえたなじゃねぇぇぇぇよ!!俺達の正体見られてたらどーすんだ!!しかも、もしかしてさっきまでの会話聞かれてたのか?あの会話を???………高杉待ってろ、俺が今タイムマシーン見つけてくっからよ…」
    銀時は机の中に入ろうととガタッガタッと頭を押し付けて現実逃避をし始めた。

    「何してんだ、馬鹿かてめェは……あのチビ、近頃てめェの事じっとみてやがったが、これで懲りただろ。てめェも簡単に見られやがって、俺の銀時が減るだろうが…!」

    「いやだから減らねェって!!!俺をなんだと思ってんだ!それわざと?わざとなの??ボケてるつもりなの??そもそもチビがチビをチビ呼ばわりしてんじゃねぇ!その口ぶり、てめェアイツが居たの気づいてただろ!どーすんだ!明日変な噂流れてたら!」

    「誰がチビだ、ふざけんな
    心配しなくとも人から耳としっぽが生えてきたなんて誰も信じやしねぇよ。それに……」



    「他の奴らからどう思われようが構わねぇンだろ?」
    高杉はふっと笑って銀時の目を覗き込んでそう言った。


    「〜〜〜〜ッ………たかすぎ!!」

    そうして銀時は顔を赤くして今日何度目かも分からない相手の名前を叫んだのだった
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