「お加減いかがですか?おじ様」
「ありがとうお嬢様。悪くないよ。」
寝乱れた白い髪をそっと撫で、その白い御髪の合間からのぞく真っ白な毛に覆われた耳に触れた。
「……戻っていませんわね。」
「そのようだね。」
数日前、おじ様とお茶会を致しましょうとお屋敷にお邪魔したわたくしの目に飛び込んできたのは、愛くるしいお耳とお尻尾をお生やしになったお姿。
思わず、『なんて愛くるしいのでしょう!』と叫んでしまったわたくしに、『貴方は本当に物好きだね』とおじ様は肩をすくめ、『来てくれてありがとう』といつものように挨拶のキスをくださった。
『そのお姿は?』
『少し、ヘマをしてしまってね。』
『お相手は?』
『取り逃してしまったよ。』
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