例えるならば恋心「やーっと終わったーー!」
空が達成感に打ち震えながら目一杯背伸びをしていると、ふよふよと浮いていた小さな相棒が胸の前で腕を組んでぶすくれているのが見えた。
しばらく素材収集に奔走していたかと思いきや、せっかくの誕生日をずっとお菓子作りに費やしていた上に殆どを仲間に配ってしまったのだからその不満も分からなくはない。
それでも文句もほとんど口にせず手伝ってくれたのだから、パイモンは本当にいい相棒だと空は微笑んだ。
「終わったーって、もうすっかり日が暮れちゃったぞ。結局誕生日なのに全然休んでないじゃないか!」
「これ仕事じゃなくて趣味だから大丈夫だよ、日頃の感謝もあるしね。あ、ちゃんとパイモンの分もあるから安心して」
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