職員達との飲み会でのことだ。食事を必要としない意識覚醒者であるルーシーは周りの会話や雰囲気に意識を傾けていた。
開始から数十分が経ち、各々の席が入り乱れるといつの間にかアルコールから顔が赤くなったアドラーが隣にいた。
「アドラー、飲み過ぎよ。アナタの体のアルコール許容量を大幅に超えているわ。」
開始直後はまだセーブしていたはずだった彼はもう十分に泥酔している。顔が赤く、所々呂律が回っていない。
「ああ、だいじょぶだ。人間はコレくらいじゃ、死なねえからな。」
「それでもよ。現にアナタは数年前に計算科学研究センターの六階から落ちたことがあるでしょう。」
「はは、もうそんなことにはなんねぇよ。それより、酔えない意識覚醒者は飲み会にいて楽しいのか?」
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