Good Samaritan law ギラギラと血走った目が凛の視界を覆う。
普段は比較的知性を保っている青藍に滲む情欲は隠し切れず、触れれば全てを飲み込みそうなほどの濁りすら帯びていた。
腕の中に居る潔の状態をどこか冷静に分析しながらその眼差しを受け止めていた凛は、もはや全体重でも預けるくらいの勢いで圧し掛かってくるのを両足に力を込めて抱きしめたまま、どうしたものかと悩んでいた。
本気で抵抗すれば体格差やパワーの違いで多少の苦労はあれど、潔を確実に引き剥がす事は出来る。しかし、それを実行に移さないのは凛の中で潔が占める比重が大きいからだ。
けして拒否したいワケでは無い。こうなる理由も知っているし、慣れてもいる。ただ場所がマズいというだけで。
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