Ohne Fleiß, kein Preis. こんな夜更けに青い監獄の奴らが生活しているエリアに行ってみようと考えたのは、ただの気まぐれだった。
たびたび起こる思考の渦に飲まれて、寝付きが悪かったのもある。
"潔世一"という存在に出会い、俺よりも一手先のフィールドの未来を予測された上に、まんまと罠に嵌められ、"道化"呼ばわりされてからは特に。
極東の小さな島国、日本──サッカー界では後進国として扱われている場所──で、面白い"催し"をやるから是非とも参加して欲しいと数ヶ月前に緊急招集をかけられた。
実際にその招集に応じたのは我らの偉大なる指導者、ノエル・ノアではあったが、少なくとも俺は俺自身の目的が明確に存在していたのもあって、またとない良い機会だと考えていたのだ。
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