しんしん たまに、夜中にふと目覚めることがある。それは夢と夢の狭間だったり、尿意だったりまちまちだけれど、今日はぱちりと覚醒した。
隣に寝ているはずのアイツの気配が感じられなくて横を見やると、アイツは窓辺に立っていた。ああ目覚めたのは外の明かりが眩しかったのかと思ってから、カーテンの隙間から漏れる光がやけに明るいことに気付く。アイツは静かにカーテンの向こうを見つめている。
「どうした」
「起きたのか」
「何かあるのか……雪?」
アイツの隣に立ってカーテンを開けると、窓の外にはちらちらと雪が舞っていた。どうりで寒いわけだ。布団の中にあった温もりと、肌で感じる冷気の差にくしゃみをすると、アイツはフッと鼻で笑った。
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