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    留守田

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    留守田

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    『バニーの日』で鏡さんにバニーになってもらったので、今度は轟君に着せよう! と思って鏡轟……になる予定だったもの。

    ##鏡轟

    さかさうさぎ「なあ……これで、合ってるか?」
    間接照明の仄かな明かりの元、金剛が目の前の人物に困惑気味に確認する。
    二メートル近い身長に、並々ならぬ鍛錬を伺わせるガッシリとした筋肉質の肉体。
    普段なら瞳の奥に静かな炎を燃やす、ともすれば野暮ったくも見えるが男らしい顔立ち。
    ……なのだが、彼は黒髪を僅かに揺らし、ただ戸惑うのみだった。
    それもそのはず。金剛の頭の上には兎の耳を模したヘアバンドが着けられ、彼の逞しい身体をバニースーツが包んでいた。
    漢気の塊のような彼は、いつもなら目の前の恋人に女装を頼まれた所で恥じらいはしない。
    しないが、それは常識的な布面積が確保されている場合での話だ。
    スカート丈がミニどころかマイクロなミニスカナースも、淑女が着るようなふわふわのドレスも、期待で興奮して頬を朱に染める事はあったが決して恥じらわず、堂々としていた。
    それらは、少なくとも肌蹴させられるまではちゃんとした服であった。今着ているコレはどうだろうか。
    確かにバニースーツではあるのだが、本来露出している腕や脚だけ布地に包まれていて、露出してはいけない筈の胸や股間に布地がない。
    上半身は背中のベルトのような帯で左右の袖が繋がれているだけで、腕以外は何も覆い隠さない。
    脚はずり落ちるのを防ぐための細いベルトが上と下に一本ずつあるだけで、そもそも腰まで穿かない。股下という物が存在しない、ズボンというのも烏滸がましい脚を包むための布。
    つまり、巷で言う所の逆バニーの格好を金剛はさせられていたのであった。
    「合っているし、とても似合っているよ」
    恥ずかしそうに両手で股間を隠す金剛に、彼の恋人である慶志郎はソファーに座ったままワイングラスを揺らして微笑む。
    着てみてくれと冗談半分に言ったが、まさか本当に着るとは……と、心中では多少の動揺もあったが、表には出さない。
    「ところで……尻尾も着けてるのかい?」
    尻尾とは名ばかりのアナルプラグも、今彼が着ているバニー一式の中にあったはずだ。
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