放課後。学校からの帰り道、きり丸たちと別れた乱太郎は家へと向かっていた。
乱太郎の両親は共働きで忙しいので家に帰ったら少し家のお手伝いでもしようかと思っていた。
その途中、道でしゃがみこみ鞄のなかを漁る人を見かけた。探し物をしているようだった。
高校の指定鞄を持っていたので高校生で先程からどうしようと嘆いていた。
(なんだろ…お兄さん困ってるなあ、どうしよ…うーん)
普通の人はここは素通りするが、よし、と決意して乱太郎は思いきって声をかけた。
「あのー、どうしたんですか?」
「!えーっと、ちょっと、探し物をしてて、鞄に入れたはずなんだけど」
急に声をかけられたせいかその人はびっくりした顔をしていたが、言葉を返した。
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