食べてくれる人 朝食時を過ぎ閑散とした様子の地獄の食堂で、プリニー帽を被った少女フーカは頬杖をついてぼんやりとしていた。
食堂の扉を開ける音がして、彼女が他にすることもないのでそちらに目を向けるとそこには見知った人物の姿。フーカは大きな瞳をくるりと丸くして頬杖を外した。
「おーい、フェンリっちー」
そして、手を掲げて振りながらその入ってきた人物に勝手に付けたあだ名で呼び掛けたのだった。
入ってきた狼族の男、フェンリっち……ではなく、フェンリッヒは、どうせ嫌な顔をして無視されるだろうというフーカの予想を裏切って、意外と素直なことに彼女の傍までふらりと歩いてきた。(とはいえ、きっちりと嫌そうな顔はして見せた)
その素直さに少々驚いていたフーカだが、近くまでやって来たフェンリッヒをよくよく見て原因を察した。
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