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    咲良(さくら)

    @yurutto_sakura
    ゲームskyを元にしたオリキャラのイラストやお話しを書いています!
    師匠を探す雪白(ゆきしろ)と、師匠の友人紺碧(こんぺき)が中心。
    うちよそ、うちうち、BL、顔、衣装や設定の捏造あります。

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    咲良(さくら)

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    道に迷った星の子を、雪白が道案内するお話し。

    ##本編
    ##星くず書庫

    礎(いしずえ)「すみません・・・誰かいませんか・・・?」

    店の入り口からかぼそい小さな声が聞こえた。
    見れば心細げな表情で、小柄な星の子が佇(たたず)んでいる。
    初期の髪型、初期のケープ、一目で生まれたばかりだと分かった。

    「どうしたの?」
    「あの、仲間とはぐれちゃって・・・迷っちゃって・・・」

    俺がしゃがんで目線を合わせると、その子はおどおどと視線をさまよわせ、少し怖がっているようにも見えた。

    「ああ、このあたりは入り組んでいて分かりにくいよな」

    ケープのエナジーもだいぶ消費しているようで、俺からその子へゆっくりと光が伝わっていく。

    「どこへ行きたいんだ?」
    「草原の入り口が分からないんです」

    ここからはそんなに離れていない。けれど慣れていないと迷いやすい道のりだ。

    「紺碧さん、俺行ってきていいですか?」

    厨房に声をかけると、紺碧が顔を出した。

    「うん、行ってあげて」

    可愛い、と言いながら彼も俺の横にしゃがむ。
    俺もこんなに小さい時があったのかな。
    そういえば、紺碧さんが小さい時って、どんな子だったんだろう。想像できないな。

    「俺と一緒に行ってみる?」

    そう問うと、その子は一生懸命首を縦に振った。

    「お願いします」




    「今日はこのケープでどうかな?」

    飛行用の衣服に着替え終わった俺に、紺碧さんがケープを差し出してきた。

    「そっと覗く郵便屋」のケープ。
    布地には一段暗い赤で模様が入り、金の縁取りに、裾には赤い飾り。
    相変わらず俺の「記憶の語り部」のケープは修繕中で、未だ手元に戻ってこない。
    行方不明になった師匠を探すのに必死で、ぜんぜん傷みに気づかなかったんだ。
    大切にしてやらなくてごめん。
    ケープが手元に戻ってくるまで、俺は紺碧さんのケープを借りていた。
    ふわりとケープを羽織るとエナジーが流れ込んで光が波紋のように広がり、背にケープレベルを示す星型が浮き上がった。

    「綺麗ですね・・・!」

    迷子のその子は、美しいケープを見て目を輝かせている。

    「綺麗だよな」

    俺も微笑んで同意する。

    「じゃあ手つなぎで、光も集めながらいこう」

    手を差し出すと、おずおずと小さな手が握り返してきた。
    手の中にすっぽり納まるほど小さくて柔らかい。

    「いってきます!」

    紺碧さんに見送られ、俺とその子は一緒に柔らかな日差しのなかへ飛び立った。




    速度を落とし、ゆっくり飛びながら光を集める。

    「あの、ケイです、名前」

    一生懸命キャンドルに火を灯しながら、緊張した声音でケイが言った。

    「俺は雪白。よろしくね」

    緊張する必要はない、肩の力を抜いて欲しくて、俺は優しく言った。
    この世界に生まれて飛びはじめた当初は、周りの星の子がみんな上級者に見えて萎縮(いしゅく)したものだ。

    「誰かと飛ぶのは初めて?」
    「生まれたばっかりの子たちで仲間になって、その子たちと飛んでいました」

    そうか、そうしたらエナジーの話しなどしたら参考になるかもしれない。
    他の星の子と一緒にいるとエナジーが補充されること、手つなぎなど接触があるとお互いのエナジーが行き来すること。
    それには相性があること。

    「飛ぶときに、エナジーの流れを意識するんだ。少なくなってきたら無理せず光を補充するんだよ」

    慣れてくると自分の容量が分かってくる。
    真剣に話しを聞いて、覚えようとしている様子のケイ。
    たくさん羽ばたくので、つないだ手にも汗もかいている。
    俺はふと、師匠と飛んでいた時のことを思い出した。
    今もはっきりと思い出せる、硬く温かい手のひらの分厚い感触と、一見冷酷とも見える険しい目元。
    まだ飛行技術も拙(つたな)く、基本中の基本から教わっていたときのことだ。
    師匠の紅藤(べにふじ)は厳しい人だったが、短い言葉で分かりやすく話してくれた。
    いま俺がケイに話したことは、すべて師匠がひとつひとつ教えてくれたこと。

    ・・・俺が教えてもらったことがケイに伝わって、ケイも誰かに教えることがあるのだろうか。

    師匠が残してくれたものは間違いなく俺のなかに根付いている。
    もしも俺の弟子になりたいなんていう人がいたら、俺もいろんなことを伝えたいし、それがその人の礎(いしづえ)になったら嬉しいな。
    まだまだ、俺も修行中の身なんだけれども。

    「わたしも、綺麗なケープを手に入れられるでしょうか」

    ぽつりと言うケイ。
    俺は迷うことなく、もちろんと答えた。

    「それにこの世界には綺麗な景色がたくさんあるんだ。たくさん飛んで、いろんな人と会って、たくさんの景色を見てね」

    そして俺のいる店には、美味しいものもたくさんあるよ。
    笑って見せると、ケイの顔もほころんだ。

    「またお店行きますね!今度はみんなで行きます!」

    雲がきれ、景色が開けてきた、草原の入り口はすぐそこだ。



    草原の入り口では何人かの雀がケイを待っていた。
    仲間と思われる彼らに出迎えられるのを見届け、手を振って別れる。

    「今度は新しいケープでお店行きますね!みんなで行きます!ありがとう!」

    ケイは大きな声で言って、俺の姿が見えなくなるまで手を振ってくれた。

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    咲良(さくら)

    DONE璃兎(りと)→大樹マシュ。
    青紫の目。身長5くらい? 
    雨寧さん宅のジェイスさんとお付き合いしている。
    ジェイスさんは軍人。
    璃兎は学生。普段は寮に住んでいる。
    自由奔放、男の子だけどガールズトーク、スキンシップ大好き、テンション高め、生足むき出しのあざといショタ。

    雪白→創作の髪型。
    黄色の目。
    身長6くらい?
    真面目な好青年。
    雨林で紺碧に助けられ、共に暮らしている。
    雪白と璃兎璃兎(りと)が珍しくツリーハウスへ遊びに来た。
    彼は闇の穢れを祓い、傷ついた兵士を癒す「癒し手」になるため学校へ通っている。
    (雨寧さん世界の設定)
    普段は宿舎で生活しているのだが、今日は外出が許可された日らしい。


    ツリーハウス2階にある雪白の部屋で、他愛のない話しで盛り上がり、璃兎の恋人、ジェイスの話題になった。
    軍人の彼は、相変わらず多忙を極めているようで、一緒にいられる休日はとても貴重なのだという。
    璃兎は素直にのろけるし、素直に彼が大好きだと表現する。


    雪白は、璃兎がどれだけジェイスを慕っているかを感じるたび、胸の深いところが疼(うず)く様な感覚を感じていた。
    誰かを慕う気持ちが、痛いほど分かる。
    それは師匠を思う気持ちとはまた別の、熱く焦がれるような感情。
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