紺碧と紅藤②〜過去編〜紺碧と紅藤②
(これが本物の死相紋か...グロ...)
じわじわと核(コア)周辺に浮かび上がる黒い紋様を見ながら、紺碧は冷たい地面の上に横たわっていた。
泥水と苔、森の香りが鼻腔を満たし、周囲は静かで、小鳥も蝶も見当たらない。
細い糸のように落ちてくる雨水が全身を打ち、あっという間に体温を奪っていく。
詰んだ、という言葉が脳裏に浮かんだ。
終わるんだと思うと笑いがこみ上げてきたが、乾いてかすれた呼吸音が喉から聞こえるだけだ。
過去にトラブルのあった3人組から暴行を受けた。
散々、殴られ、蹴られ、無理にエナジーを流されて、回路が使い物にならなくなった。
そして雨林に捨てられたのだ。
3人組の顔も覚えていない。
興味がない。
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