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    咲良(さくら)

    @yurutto_sakura
    ゲームskyを元にしたオリキャラのイラストやお話しを書いています!
    師匠を探す雪白(ゆきしろ)と、師匠の友人紺碧(こんぺき)を中心として、登場人物の心情と空を飛ぶ描写に力を入れて書いています。
    年齢不詳の雀たちや、2人が惹かれあっていくところも書いていきますよー!!
    BL苦手な人は退避ッ!!
    顔あり、白肌、衣装や設定など変更してあるので苦手な人は退避ッ!

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    咲良(さくら)

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    本編11〜過去編〜

    死相紋(しそうもん)→核(コア)を中心にエナジーを巡らせる回路があり、その回路が傷ついて変色。
    変色した回路が紋様のように見える。
    命に関わる重傷。

    ##本編
    ##星くず書庫

    紺碧と紅藤②紺碧と紅藤②

    (これが本物の死相紋か...グロ...)
    じわじわと核(コア)周辺に浮かび上がる黒い紋様を見ながら、紺碧は冷たい地面の上に横たわっていた。
    泥水と苔、森の香りが鼻腔を満たし、周囲は静かで、小鳥も蝶も見当たらない。
    細い糸のように落ちてくる雨水が全身を打ち、あっという間に体温を奪っていく。
    詰んだ、という言葉が脳裏に浮かんだ。
    終わるんだと思うと笑いがこみ上げてきたが、乾いてかすれた呼吸音が喉から聞こえるだけだ。

    過去にトラブルのあった3人組から暴行を受けた。
    散々、殴られ、蹴られ、無理にエナジーを流されて、回路が使い物にならなくなった。
    そして雨林に捨てられたのだ。
    3人組の顔も覚えていない。
    興味がない。
    自分自身にも、生きていくことにも。
    怪我はともかく、回路が痛むことはエナジーを循環させて生きている星の子にとっては致命的だ。
    核(コア)から広がった紋様が上腕まで到達したのが見えて、紺碧は目を閉じた。

    空っぽの器みたいな身体に、ぴったりの最期だと思った。
    何の未練もなく、思い出は捨てたいものばかり。
    生きていく、ただそれだけなのに、喜びより苦しみが多いのはどうして。

    こんなに、何もない....
    何も掴めず、残せず。
    早く、終わりたい。

    眠くなるように意識が遠のきかけたとき、近づいてくる足音を聞いた。
    乱暴に襟首を掴まれ、持ち上げられて、激痛で目が覚める。
    苛立ちを含んだ険しい深紅の瞳と目があった。
    よりにもよって、最期に見たのがこいつの顔...
    最悪だ。 
    どこまで僕の人生を汚すんですか、神様。
    知り合いの中でも特に見たくない顔がそこにあり、紺碧は再び目を閉じた。
    「おい。クソ野郎。あんな雑魚に殺されて悔しくないのかよ」
    襟首を掴んだまま紅藤が紺碧を揺すると、力の入らない腕が人形のように揺れた。
    そのまま地面を引きずって雨の当たらない場所まで移動し、木の根元に放るように手を離す。
    重傷者に対する扱いとは到底思えない乱暴さだ。
    忌々しそうに舌打ちして紺碧の腕を掴むと、そこからじんわりと光がさざなみのように広がった。
    しかし回路が働かず、核まで光が届かない。
    「なんとか言えボロ雑巾」
    「...うるさいな、黙れ童貞...」
    ようやく口をひらき、紺碧は前髪の間から紅藤を睨め付けた。
    「もう、終わりたい」
    だから邪魔するな。
    長引かせるな。
    さっさと終わらせて...
    「てめぇの人生そんなに安いもんなのか?あ?プライドってもんがねえのかよ?」
    薄暗い中で紅い目が爛々と光り、肌に触れた雨粒が音を立てて蒸発した。
    「てめぇの終わりくらい、てめぇで終わらせろよ!誰かに任せるんじゃねぇ。ほんと気にいらねぇ!...これで終わったら、負け犬のまま、本当に終わっちまうぞ」
    「...」
    「...レースの勝敗」
    「...!」
    「一度くらいは俺に勝て」
    「...」
    「...言いたかねぇが、まだ速くなる...」
    「...!!」
    もう、話せない。
    泥に汚れた顔の中で、切れて血まみれの唇が微かに動いたが声が出ない。
    紅藤は最大級の舌打ちをすると、紺碧を抱きかかえた。
    ケープの加護がなく、しかも雨水をたっぷり含んだ身体は重い。
    幾度か抱え直し、助走をつけ思い切り地面を蹴って、曇天へ力強く羽ばたく。
    向かったのは...楽園だった。

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    咲良(さくら)

    DONE璃兎(りと)→大樹マシュ。
    青紫の目。身長5くらい? 
    雨寧さん宅のジェイスさんとお付き合いしている。
    ジェイスさんは軍人。
    璃兎は学生。普段は寮に住んでいる。
    自由奔放、男の子だけどガールズトーク、スキンシップ大好き、テンション高め、生足むき出しのあざといショタ。

    雪白→創作の髪型。
    黄色の目。
    身長6くらい?
    真面目な好青年。
    雨林で紺碧に助けられ、共に暮らしている。
    雪白と璃兎璃兎(りと)が珍しくツリーハウスへ遊びに来た。
    彼は闇の穢れを祓い、傷ついた兵士を癒す「癒し手」になるため学校へ通っている。
    (雨寧さん世界の設定)
    普段は宿舎で生活しているのだが、今日は外出が許可された日らしい。


    ツリーハウス2階にある雪白の部屋で、他愛のない話しで盛り上がり、璃兎の恋人、ジェイスの話題になった。
    軍人の彼は、相変わらず多忙を極めているようで、一緒にいられる休日はとても貴重なのだという。
    璃兎は素直にのろけるし、素直に彼が大好きだと表現する。


    雪白は、璃兎がどれだけジェイスを慕っているかを感じるたび、胸の深いところが疼(うず)く様な感覚を感じていた。
    誰かを慕う気持ちが、痛いほど分かる。
    それは師匠を思う気持ちとはまた別の、熱く焦がれるような感情。
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