【　叫飛 牙喰　】 -　きょうび がく

　牙喰は基本、親にいないものとして扱われている。デキ婚で生まれた子供で、本来なら堕ろすはずだったが金銭面の問題で生むことに。殺したら捕まるので渋々ご飯は作られていたが、小学生になるころには自分のことは自分でと無視されるようになる。
　どこか行くにしても勝手について行かなければ何日も放置されるような状態。そのおかげか、知らない間に進んでいた引越しもなんとかついていくことができた。けれどその際でねこ(チェルシィ)から仕向けられた虐めにあう。暴力的なものから精神的、性的なことまでかなり酷い目にあった。
　家にも帰りたくない、学校も行きたくない、けれど行かなければ置いていかれる。そう苦しんでいたとき、ふと街中のテレビが目に入る。そこには歌って踊るアイドルの"HIИA"という人がいて、暴力的なほどの自由さと格好良さに憧れを抱き、必死の思いでアイドルを目指すことになる。


【　玖 隼　】 -　きゅう はやぶさ

　環境的にはかなり良かったはずの子。隼の入学祝いにランドセルを買いに行った帰り、親が事故死する。親戚達の面倒そうな視線にも気付かず常に呆然としていた。何度か親戚の家に行くが当然待遇は厳しくて。何度もタライ回しにされていくうちにもう何も感じなくなる。
　幾度目かの親戚の家、そこにいたのはハッドだった。ハッドは人形のような隼をやけに気に入ったらしく好きに連れ回していたが、とうとうボディステッチをされそうになったときは流石に抵抗したが「僕の人形は喋らないだろう、黙れ」と言われ完全に壊れてしまう。
　それからは一切の抵抗もなくなってしまい、完全に無になってしまうが、現在ユニットを組んでる静蕗くん（よその子）に出会い、少しずつ両親の記憶やあの時の楽しさを思い出すように。
そして静蕗くんが転校することになったときもついていきたいと懇願し、今も二人でアイドルを続けている。
　アイドルになってからハッドと再開した時に上手く唆され、ユニットを抜けるよう仕組まれたことも。勿論静蕗くんとの絆で解散なんてことはなく、現在も活動を続けている。


【　HIИA　】 -　ひな

　HIИAには弟がいた。母親には自分が愛されて弟が愛されず放置やら暴力やらを振るわれてるのが嫌で、（自分がいなくなればいいんだ！）と思い小さい頃に勝手に家出。その後、拾われた先の孤児院で過ごしながらアイドルになり、弟と再会。最初は良かったものの、途中でやはり気づかれてしまいいろいろと大変なことに。でも最後は和解する。今まで向けられなかった愛を存分にぶつけている。


【　鴨布 救華　】 -　かもぶ くしろ

　救華はHIИAの"弟"。兄が出ていってから更に母親の精神的虐待は酷くなった。「お前がいなければ」「嫌いだ」と本当に幼い頃に言われたせいで 嫌い と 好き の意味を真逆に覚えてしまう。
　アイドルになったのはスカウトを受け、自分を必要としてくれる心地良さを知ってしまったから。そこでHIИAと出会い、彼が兄だと気付いてしまう。様々な事件や出来事が起こるものの、最後には和解。まだどのように対応したら良いか分からずつんけんしてしまうが、共に住むほどには仲良くなっている。


【　琴芭 立夏/救華　】 -　ことはな りっか/くしろ

　立夏はHIИAの本名。
　揉めたことは勿論だが、救華はそれだけに終わらず、ライブ中での事故に見せかけた怪我を負わせたり、その怪我での入院中に目の前で自ら飛び降りたりなど かなりの行動をとる。
　喉の傷は自ら飛び降りたときのもので、一時的に話せなくなっていた。その時はアイドルを辞めて配達員などの仕事をしていたが、その配送で偶然にも立夏の家を尋ねることに。きっかけを見つけた立夏が必死に配達を頼み、そのおかげか回数を重ねる毎に少しずつ仲は深まっていく。
　そこで改めて立夏視点の話を知った救華は酷いことをしてしまったと深く後悔し、二度と会わないことを誓おうとするが当然立夏は止める。そして後悔しているなら罪を償う代わりに自分のマネージャーをしてくれと頼む。当然断れない救華は言われた通りマネージャーとして働く。

　そうして働くうち、アイドルとしてのHIИAやステージに立つあの瞬間を焦がれるようになり、ひっそりと発声練習を行うように。
　そして暫く経ったある日、HIИAをよく思わない人の陰謀で、ありもしない暴力沙汰の噂が流れる。噂はあまりにも大きく広がり、とうとうその人の記者会見が開かれることに。そこでたった一人、真相を突き止め証拠もしっかりと握った救華が、言葉のとおり、"声を上げて"反論した。形勢逆転した相手は途端に陥落。
　声が出せるようになったと初めて知った立夏はその場で抱きしめ、互いに本音をぶつけ合うことで和解の道を進む。

　その後は共に住むなど、兄弟らしい生活を送っている。──が、互いに後遺症は残ったまま。
立夏の傷は一向に消えないまま。悪夢、嘔吐癖、極度の自己犠牲思考など、自分が許せないからこその後遺症がかなり残ってしまっている。
救華は母親に囚われてしまっていて、ふと街で母親を見つけたときは思わず駆け寄ってしまい、腹部を刺されるなどの事件が起こったことも。


【　チェルシィ　】

　チェルシィは本名が"ねこ"。そのせいで小中は虐められていた。そんなとき、中学の途中で叫飛牙喰が学校に転入してくる。明らか普通とは違う牙喰を何とかターゲットに仕向け、自分は救われる道を選んだ。
　アイドルになって叫飛牙喰を見つけたいま、彼を見るたびに過去を思い出してしまう。彼を陥れないとまた自分が標的になると思い込んでいるようで、何かと叫飛牙喰に敵意を向けている。


【　ハッド　】

　ハッドはマジでなんもない金持ちの息子。逆に何もないからこそつまらなかった。そんな時に隼がやってきて、隼で遊ぶようになる。当時の隼は心失った人形みたいになっていたせいか、自分の思い通りにしてるうちに独占欲が芽生え、いまは隼を自分のユニットに引き入れようとしている。
　ユニットを作ったのも隼を引き入れるため。アリスはファンの皆だと示しているが、彼にとって本当のアリスは隼である。


【　ダム/ディー　】

　ダムとディーは双子"ではない"。何故か凄く似ている他人。性格は真反対でよく比べられていた上に、成り代わりごっこで遊んだ際にダムの悪戯がバレ、成り代わっていたディーが罰を受けるという最悪の出来事があった。それをディーはダムが仕込んだものと思い、嫌うようになる。ダムは何も気付いてない。


【　纏　】 -　読み自由

　纏の親は仲が悪く、母と父によって子供への求めるものが違っていた。母親の前では良い子で聡明な子供、父親の前では甘えたで子供な子供。それを演じ分けるうちに本当の自分は要らないんだと思い、崩壊。そこから人に好かれる為に様々な人格を生み出し続けている。
　現在人格の数は不明。時折バグったように誰とも言えない言動をしているときも。


【　棘　】 -　おどろ

　棘は昔、優秀な息子だった。勉学に長けていてエリート間違いなしだと思われていた。…が、本当はかなりの無理と努力を重ねていて、いつも親と周りの重圧に耐え続けていた。そして迎えた受験の当日、行き道で過労で倒れてしまい、全てがおしまいに。それに激怒した親に散々怒鳴りつけられ、その結果、家を追い出されることになる。
　呆然と歩いていたとき、棘(いばら)と出会う。名前が同じことから少しずつ仲良くなり、今ではユニットを組み、共に暮らすなど仲良くしている。自傷のような体の関係さえ無ければ、あの兄弟に匹敵するほどの仲だろう。


【　棘　】 -　いばら

　棘は人当たりが良く、顔も整っていて女の子から人気があった。中学生の頃にとある女の子に付きまとわれ、何を誘われても断るようにしていた。…のだが、ある日誰にも教えてない家に女の子が尋ねてくる。流石の恐怖で押し返そうとするが思い切り押し倒され、メンヘラ彼女のようにヒステリックな言葉と共に何度も頬を叩かれた。
　それがあまりの恐怖でトラウマになり、何を言われても断ることが出来ないようになってしまう。棘(おどろ)とは名前が同じということで知り合い、いまはルームシェアで住んでいる。


【　結葵 雅　】 -　ゆうき みやび

　顔がすごくすごく整っていて、綺麗な子だと近所で有名だった。学校でも同じように周りからそう言われていたが、彼を妬んだ人に「笑顔はブスだよね」という悪口を流され、それを聞いた雅は自然に笑えなくなってしまう。笑うには、存在する為には可愛くなければ と思い込んでしまい、女装なり何なりで可愛くなろうとしている。


【　神　】 -　しの

　神は協会の地下に監禁されていた。赤ちゃんの彼が協会の元に捨てられていたことから信者に神様の御子だと思われ、穢れないよう地下で生活させられる。成長するにつれ段々耐えきれなくなった神は鍵の構造を覚え、何とか外へと脱出した。初めての世界を存分に堪能したあと、怒られる前に…と教会に戻る。
　だが、そこに戻るはずだった教会はなかった。教会すべてが火に包まれていた。中から声が聞こえるが助けることなどできるわけもなく、全焼した後全員死亡したことを知る。その出来事で"神である自分が居なくなったからだ"と信じてしまい、自分を神だと思うようになる。
　アイドルを始めたのはもっともっと皆を救わねばと思い、単純に目につきやすい職種を選んだだけ、とのこと。アイドル活動よりは番組に出て話すことの方が多い。

　教会を出たあとに入った孤児院にて、立夏と出会ったことがある。神としては仲良くやれているらしいが、立夏はかなり嫌っている。


【　和流 夭/枝折　】 -　せせらぎ わか/しおり

　夭と枝折は姉弟。家がかなりの名家で幼い頃から厳しく育てられる。夭は優秀だが枝折が良くなく、部屋に閉じ込めるように勉強やら何やらやらされていた。勉強が終わるまでご飯が食べれなかったりしたせいで身長があまり伸びず、年齢より随分と低い。
　そんな人生に耐えきれなくなった枝折は家出。家出の決め手になったのは夭の「大丈夫？しんどいときは休んでね」、この言葉。姉のせいでこうなったのに、という思いが爆発して家出した。
　残された夭は弟を逃がす為にも家に残る。親からの重圧に耐えながら暮らしていくうちに味覚障害を患う。いつか自由に弟と仲良くしたいと思っている。


【　ノア　】

　低身長病の子で、小~中辺りから一切伸びなくなった。アイドルの世界は少し治安が悪く、法律や警察もかなりゆるいせいで高校生の頃に初めて誘拐される。それも身代金を奪うつもりではなく、単に体目当て。ショタコンの男に目をつけられての犯行だった。抵抗しても適う訳がなく、されるがまま。
　そこで味をしめた犯人が何度か繰り返した後、どこかのサイトにこの話をしたのかノアの誘拐がかなり増え出す。もう最終的には抵抗する気力もなくなり、助けも来ないのだからとすべて諦めるようになる。普段半袖の彼が長袖を着ていたら、そういうこと。


【　志操 らん　】 -　しそう ＊＊

らんは金持ちの息子。家庭環境も良くて学校でもわりとランク高めの位置にいた。…が、ある日父親の会社で不正が見つかり倒産。一気に底辺に転落したらんは虐めの対象になる。でも、それでも家族がいるなら…と必死に耐えて帰ってきたとある日、両親二人の首吊り自殺を目の当たりにした。
　それからは、もうどうすることもできず、学校も辞めてただ過ごしていた時に枝折と出会う。色々あった者同士で仲良くなるが、とあることで喧嘩し仲違いしてしまう。それから再度出会うものの、今までのようにはできないまま。本当は仲良くしたい。

　互いにお揃いの舌ピアスをつけていたが、仲違いしたときに枝折の舌ピアスを引きちぎってしまう。その後、再会したときに今度は枝折がお返しにとらんの舌ピアスを引きちぎる、なんてことも。


【　海浮 雲　】 -　みうき ふわり

　DQN親から産まれた子。わりと愛されていたのだが、純粋すぎるあまり「この子になら殺されてもいーわw」という言葉を信じ、母親を刺してしまう。言われた通りにしたよ！と父親に報告したところ、当然ながら怯えて警察に通報しようとする姿を見て いわれたとおりにしたのに！と父親をも何度も刺して殺してしまった。
　そのせいで結局褒めてくれる人はいなくなってしまい、わんわんと泣きながら家を後にする。いまもただ褒められたいがために、誰かから依頼された殺人を何度も何度も行っている。


【　ルファン　】

　ルファンは少しおかしな家庭に生まれた子。シングルマザーの母親は少し変わった人で、周りから奇異な目でみられていた。それが可哀想に思った彼は「ぼくは吸血鬼なんだよ！」と嘘をついた。母と同じ立場になろうとしたらしい。だが子供の中では当然 嘘だ！となり、口論が続いた際に突き飛ばされ、道の脇のレンガに額をぶつける。
　流れる血を見て他の子は逃げ出したが痛みで動くことも出来ずただ泣いていると、ハンカチを差し出す"神"が現れる。同年代なのに淡々と助けてくれる彼に憧れを持ち、数年経ったいまもアイドルという形で追いかけている。
因みに夜になると性格が変貌し、本当に血を求めるらしい。真相は如何に。


【　祈絞 戒　】 -　きしめ かい

　最悪の家庭に産まれた子。両親どちらともから性的虐待を受ける。夫婦仲が良くないせいで戒にその感情が向き、DVやら何やらをされていた。そのせいで感覚が狂い、女とは遊ぶもの、男は狂わすものと思い現在のような態度に至る。けれど暴力的な部分はどうしてもあの血が流れてると思わざるを得ない。
　アイドルになって暫く経ったあとに街で父親と出会ってしまう、なんて出来事も。家出の形で逃げ出した為、当然連れ戻されたのちに散々な虐待を受けたそう。