『ナラカ』のあとがきの、あとがき。 ラブウィ2、お疲れ様でした。
疲れるどころか、日々の荒んだ心を癒してくれる大変有意義な1日でしたね。
イベント合わせで公開した小説『ナラカ』のあとがきにて、書ききれなかったことがあったので、こうして再び筆を取った次第です。本編未読の方はもちろん、自分語りに興味がない方は、この先は読まない方が賢明です。
注意はしましたよ? いいですね?
本当に後悔しませんか?
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さて、あとがきの続きです。
まず、どうしても書いておきたかったのは、「地獄」の内容について。
初めは仏教における八大地獄になぞらえて、8つの世界を巡る予定でした。ですが、あまりにも冗長なので、その半分に。
問題はその内容でした。じわじわと、しかし確実に、一織を追い詰める内容でなければなりません。
その中で最後まで悩んだのが「脱退」です。最初は「IDOLiSH7解散」(文字でも苦手な人がいたらすみません)にしようと思っていました。一織にとっては夢も居場所も失うわけですから、地獄にふさわしいだろう、と。
ですが、最終的に脱退に変更しました。
理由は、その方が地獄だったからです。
三月が、兄が、アイドルを辞めた。なのに、IDOLiSH7は存続している。6人で成立している。
……考えただけでキツくないですか? わたしは吐きそうでした。吐きそうだったので、採用しました。
まあ、作中の設定上、その時点で一織もいないわけで、よく考えると、いやよく考えなくても、というか三月がいない時点で、IDOLiSH7が成立しているわけ、ないのですが!!!!!!!
とまあ、自分の地雷も踏み抜きつつ、話を作っていました。でも、小説にできたということは、地雷ではないんでしょうか。自分のことが一番よくわからないです。
この話を書くにあたり、古今東西の呪いについて調べたのですが、検索履歴が大変なことになりましたね。「呪い 日本」「呪い 人」「呪い 有名」──その他色々。全て電車の中で見ていたので、怪しい人に見えただろうな、と思います。
途中で怪しげな黒魔術のサイト(?)に辿り着いてしまい、慌ててブラウザを閉じたりしました。地獄についても結構調べたのですが、結局ほとんど内容には反映されませんでしたね。よくあることです。
ちなみに、人を呪うこと自体は犯罪ではないそうです。呪いにより、相手が不利益を被ったとしても因果関係が証明できませんからね。もちろん、五寸釘を打ちつけた藁人形を見せたり、呪詛を聞かせたりなどして、精神的な被害を与えた場合は別ですよ。
いや、そもそも呪わない方がいいです。人を呪わば穴二つ、ってね。この「穴二つ」の由来ですが、呪い返しにより、相手だけでなく自分も死ぬので墓穴が二つ必要になる、というところから来ているそうです。
三月のことを犯罪者にしたいわけではないので、特に手順を踏まない呪いにした結果、ホラー寄りになりました。呪い自体も、一織の選択がなければ発動しませんし、何か責任を負うことがあるなら、半分ずつでしょう。
プロットを作った当初は、過去にも行ける便利な扉、だったんですが……。不思議ですねえ……。
書いていて癒しだったのは、やっぱり高校生組ですね。可愛い。
悠の口調はいまいち掴めていないんですが、書きやすいな、と思いました。素直だからでしょうか。永遠に勉強している様子だけ見たかった! 誰だこんな話書いたの! わたし!!!!!!!
個人的には三月を書くのが難しいです。でも、だからこそ、書きたくなるのかもしれない。
さんざん呪い、と書いてきましたが、読み方によっては「まじない」、つまり相手に利益を与えるもの、ともとれるわけです。どう読むかは、お任せしたいと思います。
なお、環の台詞を書いているとき、おまじないという言葉を「お呪い」と変換してしまったときは、面白くてひとりで笑ってました。間違ってないんでしょうが、間抜けな感じがします。
愛とは、一つの感情からなるものではなく、
人間に備わる感情が複雑に絡まり合って生まれるもの。絡まって、解けなくなって、いつしか、呪いになることもある。
それが『ナラカ』でした。正体という正体もない、ただ、誰にでも持ちうるもの、という位置付けです。
もしかしたら、本当に、あるかもしれませんね、ナラカ。わたしが知らないだけで。
いやー、やっぱり長くなりました。これを全部書かなくて良かった。長い。
ホラーの、日常を侵食する感じが好きなのですが、好きなものと組み合わせたら楽しそう、と思ってたんですよ。そしたら、わたしは楽しかったんですけど、楽しい話にはなりませんでしたね。勉強になりました。
わたしはあとがきを読むのが大好きなんですが、いくらなんでも長すぎて引いてます。でも、それだけ思い入れのある話ってことなので、どうかご容赦を。
こんなところまで読んでいただき、ありがとうございました。これからも細々と書いていこうと思うので、見かけましたらよろしくお願いします。
あ、ちなみに、本編の最後に登場した花ですが、あれは「一本花」を模しています。一本花とは、故人が亡くなってから、自宅などで安置する際の枕飾りのひとつ。
わたしはそれを、「手遅れ」という意味で使いました。
まろんぱい 2021.11.14
(2021.11.23追記)
「ナラカ」の参考HPです。
興味深い内容(特に後半部分)なので、お時間があれば是非ご覧ください。
https://www.otani.ac.jp/yomu_page/b_yougo/nab3mq0000000rj7.html