ホワイトデーのプリマ・ステラ 今日はホワイトデーだ。一ヶ月前のバレンタインデーに颯砂とイノリと三人揃って彼女からチョコを貰ったため、人気のスイーツ店で買ったスイーツを三人で渡した。俺たちが選んだ人気のスイーツに彼女は喜んでお礼を言い、俺たちからも彼女に改めてバレンタインのお礼を言う。
「『一番』気持ちのこもったチョコを俺にくれてありがとな」
「一番?」
俺の「一番」という言葉に彼女は首を傾げる。
「ほんと、リョータ先輩、そういうとこ……」
「玲太の常に自分が一番になりたい願望は相変わらずだな」
呆れたような表情のイノリとからかうように笑う颯砂にうるさいと一言。去年のクリスマスパーティーで、正装した俺たちの中で誰が一番かっこいいのか彼女に聞いた時のことを思い出す。あの時も彼女はそんなこと急に言われても困るよ、と誰が一番かはっきり言わず、結局彼女の気持ちは分からずじまいだった。
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