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    鮫の王と漂流した人間(Noob)の話
    ※これはBlockTalesのAU BlockTalesOcean 海を舞台とした物語です、AUが苦手な人は回れ右!
    文章力ナイヨ

    人間嫌いの鮫の王と漂流した人間の物語島に一人の人間が流れ着いたという報告が上がった
    年齢はおよそ20代前半だ
    奴は今島のゴミをどうにかしているらしい
    愚かな....島のゴミなどどうにかしたって変わらない
    ゴミは大量にあるんだぞ、海の底にも大量に....
    そう...あの忌々しい人間が我々の海を汚した
    我々を売った
    我々の食糧を根こそぎ奪った
    奴がどんな行動するかは決まってる
    海をさらに汚し、我々を攫って売り飛ばし、食糧を奪っていくに違いない
    人間は信用できない、絶対に。
    今後の為に我々は人間を監視しつつ、備えなければならない
    奴の本性を暴いてやる

    人間が漂流して数日経った
    地上のゴミの量が減っている
    数日でこんなに減るものなのかと少し驚いてしまったが....それでも汚いままだ
    実に愚かだ....
    減らせた理由はどうせ埋めているか海に捨ててるかのどちらかだろう
    だが、偵察兵の報告では海に捨てていたり埋めていたりと言った行動はしていなかったとのことだ
    ....嘘は言っていなかった、奴はゴミを再利用している
    監視している時に判明した
    ゴミを潰して粉々にし、溶かして道具に生まれ変わらせていた
    あのゴミが道具になることが出来るのか....だがあのゴミの再利用で我々を捕獲する道具を作るに違いない
    監視をし続けなければならない
    我々を捕獲する道具を作ったと判明したら、奴を始末しなければならない

    更に数日経った....
    地上のゴミは殆どなくなった
    驚いた...あの大量にあふれかえったゴミが殆どなくなったのは......それどころか海の底のゴミもなくなってる
    どうやって海の底のゴミを片付けた...
    偵察兵から報告があった
    毒使いと海の格闘家にイルカの人魚達が人間と友好的になってゴミ回収に協力していたと....
    裏切り者がいたか....そいつらの処罰を考えなければならない
    人間に協力をする裏切り者には厳しい罰を与えなければ

    .....裏切り者が帰ってこない....偵察兵の報告では
    奴らは地上で人間と過ごしている....
    なら私が無理矢理にでも連れ戻さなければ
    私は城から出て民達に指示を与えなければならない

    だが....

    他の人魚達が居なくなっていた
    どういうことだ....
    偵察兵を呼ぼうとしたが来る気配がない
    まさかあの人間、とうとう本性を現したか
    氷のトライデントを手に取り地上へと向かった
    地上に近づくにつれ、他の人魚達の声が聞こえ始めた
    待っていろ、私が民達を救ってやり
    忌まわしき人間を排除しよう

    海面から顔を出した瞬間
    あり得ない光景を見た
    人魚達が人間と仲良くなっている
    あり得ない.....こんなの....あり得ない....
    人間が人魚と友達になるなんて....あり得ない....
    私は急いでこの場から離れていった
    あんなの見たくない、認めたくない....
    耳を塞いで逃げ出した
    あんな楽しげな声聞きたくない
    人魚と人間が仲良くなっているところを見たくない
    あんな...おぞましく忌まわしい事件があったのに.....人間となんて.....
    吐きそうだ....気持ちが悪い....
    私は耐えきれず吐き出してしまった
    胃液混じりの吐瀉物がプカッと浮いている
    今までの苦労はなんだったんだ
    人間に復讐することで....人間を憎む事で....今までの時間を....人間への復讐に費やしていたのに.....ゴミも地上へ投げ捨て....海を少しでも綺麗にしようと....していたのに
    無駄だったんだ
    何もかも
    復讐自体が無意味だったんだ
    無駄になってしまった
    私は浮いている吐瀉物をぼぉっと眺めながら涙を流していた
    結局
    私のしたことは
    無意味だった
    もう意味が無ければ私など
    そう思ったとき

    「あの」
    声がした
    声の方へ振り返ると
    あの人間がいた
    島と海を綺麗にした人間がいた
    憎いはずの人間がいた
    憎いはずなのに.....それなのに.....何で私は
    この人間に対して憎しみが沸かないんだ
    「大丈夫どこか具合悪いその....吐いてる所見ちゃって....」
    私は桟橋に上がり込み、人間の肩を掴んで押し倒した
    私は...嗚咽混じりで
    「何故っ...お前じゃなかった...あの日...あの時っ...島にいたのが何故お前じゃなかったんだ....お前が島に居たらこんな事しなかった...島にいた人間を殺しはしなかった...っ人間との間に溝が出来ることなかった...っ....何故.....な.....ぜ......お前じゃ...なかったんだ...」
    こんな事言ったって無意味だ...でも、吐かなければどうしようも無かった
    あの日あの時....あの憎い島民じゃなく、島に漂流した人間が居たら....こんな事にはならなかった筈だ
    人間は困惑した顔をしているが私は
    「お前が島にいなかったせいで....私は人間を....」
    人間は困惑しながらも背中に手を回して擦ってくれた
    落ち着いてくれるまで背中を擦ってくれた
    嫌いだったはずの人間....不思議だ
    憎くて忌まわしいと思っていたのに....
    この人間にだけは....そんな感情が一切ない
    「落ち着いた大丈夫」
    心配そうな声で私に尋ねた
    「.....あぁ」
    ちょっと声が枯れてしまった.....あと....情けない姿を見せてしまった....
    人間は私の手を取って
    「皆の居るところへ行こう歩ける」
    人間は軽く手を引いた
    私はゆっくりと立ち上がり、皆がいる場所へと歩いていった
    .....人間の手が温かく感じる...私より一回り小さい手が愛おしく感じた
    私は.....この人間になら....好きになれるかもしれない
    他の人間はまだわからないが....この人間と一緒なら....私は再び人間を好きになれる日が来るかもしれない

    人間が人の足になれぬ人魚達の為に試行錯誤して、共に暮らせる場所を作ってくれた
    島に一人、また一人と移住者がやってきて昔のように賑わってきた
    人間は我々に危害を加えない、海を汚さない、乱獲しないと条約を結び我々との溝を埋めてくれた
    人間は我々の為にいろんな事もしてくれた
    人魚達のケア、人魚達へのサービスなどいろいろしてくれた
    そして人間は島に移住した人間と交際を始め結婚をした
    子供も出来て幸せな家庭を築いた

    ずっと幸せが続く....そう思っていた

    人間が病を患って倒れてしまった
    医者に診せて貰ったが手の施しようがないと言った
    ワクチンという物がないと助からないと言った
    作ることも出来ないと言っていた
    人間の体が痩せ細っていくのをただただ見ていくことしか出来なかった

    だが....助かる方法はある
    人間を我々と同じ種族に生まれ変わらせる事だ
    魔女に貰った薬を飲めば助かる
    人間にこの事を提案した、だが
    「僕は....人として生きて.....人と....して.....死にたい」
    そう言ったのだ

    嫌だ、そんなの....
    私は無理矢理にでも薬を飲ませようとした
    だが毒使い達に止められてしまった
    何故止めると言おうとしたが
    彼らの顔を見て言うのを止めてしまった
    泣いていた
    本当はお別れをしたくない
    でも、彼の言うことを尊重して欲しい....そんな感じの目で私を見ていた
    私は作って貰った薬を床に落とした
    パリンとガラスが割れて液体が床に染みついて消えてしまった
    涙で視界が歪んでいく....
    私は人間の手を取って握りしめた
    人間は弱々しくも手を握り返して微笑んでくれた
    そして人間は微笑んだまま息を引き取った

    私達は人間を失った悲しみに暮れていた
    我々を助けてくれた人間は土の下に埋められた
    もうあの人間はいない
    我々を助けてくれた人間はもういない
    このまま海へ帰ろうと考えたその時
    「ねぇ」
    幼い声がした
    振り返るとあの人間の子供が居た
    「パパが言ってた、鮫の王様はパパのお友達だって、パパ鮫の王様達のお話しいっぱいしてくれた」
    幼いながらも話をしているあの人間の子供
    「あのね、僕鮫の王様達とお友達になりたい僕大っきくなったらパパみたいになってお友達を助けたい」
    その言葉を聞いた瞬間、私は泣き出してしまった
    あぁ...人間が残してくれた子供は意思を引き継いでいてくれている
    私は泣きながらも人間の子供を抱きしめた
    「大丈夫どこか痛い」
    人間の子供は小さな手で私の背中を擦ってくれた

    人間よ、お前の子供はよく似ている
    優しいところも全部....
    私はお前の子供の先の未来を見届けようと思う
    そちらへ行くのが遅れてしまうかもしれないが
    少しだけ待っていて欲しい
    私は
    この先の未来を見たいと初めて願ったんだ
    人間嫌いだった私を
    愛せる者に変えてくれた愛しい人間よ
    私はお前達人間をこの先もずっと愛そう
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