「お疲れ様〜、教授」聞き慣れた声が背中から聞こえてくる。砂糖いる?ミルク派だっけ?などと言いながらコーヒーを机に置く
「ありがとう、あとで頂こう。後少しなんだ」当の本人は眉間にシワを寄せながら書類と睨めっこしていた
「うん、わかったよ」気を使ったつもりだが逆効果だったようだ。アベンチュリンは静かにその場から距離を置く、そして心に重いものが迫ってくるのだった。
彼に頼みごとを依頼していたが余りにも返答がなく、カンパニー側からの圧力もありアベンチュリンはレイシオを訪ねてみることにした。
そしたらどうだ、机には大量の書類、関連した資料の山とても催促なんてできる雰囲気ではない。
(今僕に手伝えることなんてないんだろう)そう思い悩みながらソファに寝そべった。
...
どのくらい時間がたっただろう 目が覚める事には机に合った書類の山は消えていた。肩には毛布がかかっていた。
「僕に用があったんだろう、すまなかった。」
「いいよ、突然訪ねて来たのはこっちだし毛布ありがとう 仕事は終わったの?」
「大体な あのクライアント突然締切を早めたんだ おかげで僕のスケジュールが台無しだ」何やらぶつぶつと文句を言っている 安心したいつもの彼だ。
「…なにをにやけているんだ」不機嫌そうに言う
僕の口元が緩んでしまったのがバレてしまったようだ「なんでもないよ、そういえばカンパニーで依頼してた件なんだけど~」悟られぬようすぐさま軌道修正
「ああ、そうだったな。その書類がそうだ」
「さすがレイシオ~」わざとらしく褒める するとため息をつかれ
「誰がタダで渡すといった」
普段の彼ならこういった交渉はしない。さては相当疲れているんじゃないか?と疑いをかける。
「何をご希望?」