忙しい週末を過ぎた休日、酒を飲んで眠ってしまい、酒瓶が転がる部屋にインターホンの音が響く。
「んぁ……やべ……今日だったか……」
適当な部屋着のまま、女一人暮らしのマンションの扉を開けると自分よりも高い位置に綺麗な顔が現れる。
「……今日からよろしくお願いします」
「おー!よく来たな!ちょっと散らかってるけど入ってくれ」
「……お邪魔します」
酒瓶が転がる部屋に一瞬顔を顰め、男は脱いだ靴をきっちりと揃えて入ってきた。
昔から家族ぐるみで付き合いのある藍家の息子の藍湛は魏嬰にとって甥のような存在だ。会ったのはかなり久しぶりで大きくなり過ぎて一瞬誰だか分からなかった。
(昔は儚げな美少女って感じだったのに、男になっちゃってまぁ……)
3104