今、火種は作られた。とある部屋に閉じ込められた俺と風間は、その部屋の中から脱出するただ一つの方法を実行することを決意した。
「新堂……本当に、いいんだな?」
「おう。気が変わらない内にさっさとやろうぜ。」
「本当に本当に、しちゃうからね?いいか、絶対後から文句を言うんじゃないぞ!」
「だから、良いって言ってんだろ!」
そのはずだったんだが、相手も自分も了承したはずのことに対する問いを、延々と繰り返される羽目になっている。
「そりゃあ、お前も俺も、男同士で好き好んでこんなことしたかないってのはわかるさ。だがな、ここで永遠に閉じ込められてつまらない一生を終えるくらいなら、お前とやってやっても良いって言ってんだろ!いい加減、お前も覚悟決めろよ!」
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