『子供』麻人を保護してから翌日、絵梨佳と麻人を起こそうと部屋に行くとベッドの上で麻人が絵梨佳に抱きついて眠っていた。サイズの合わない寝巻きで眠る麻人の姿が可愛かった。安心しているのか口の端から唾液を垂らして熟睡していた。
「・・・凛子、おはよう」
絵梨佳が目を覚ますと私に気が付いて起き上がった。私は二人分の朝食を作るために台所に向かった。
「おねーちゃん・・・?」
絵梨佳が起きるとそれにつられて麻人も起きたようだ。寝ぼけた状態で目蓋が上がらずほわほわとしている。
「牛乳飲む?」
「・・・のむ」
冷蔵庫から牛乳を出して、コップに注いでいく。私がコップを手渡すと両手で持ってコクコクと飲んでいる。
「おばさんは?」
「ん?あぁ、私はいいや」
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