クリスマスの赤はカニの赤『今日、時間あったらうち来い』
　19時に届いた、盧笙からのそんなメッセージを零が見たのは、"仕事"帰りの、タクシーの車内でのことだった。

　12月25日、つまり今日。世間がクリスマスと浮き足立つ日である。
　そんな日に届いた盧笙からのメッセージは、
"盧笙から自宅に誘ってくるなんて珍しい"
という意外さも零に感じさせたが、それよりも。

(今日は集まらねえって話じゃなかったか)

　走り続けるタクシーの揺れを体に感じながら、零はぼんやりと、スマホ画面に映るメッセージの文字を見つめる。
　思わず傾けていた頭の中では、つい数週間前のことが浮かんでいた。



　それは12月の初めの頃。盧笙宅で、いつもの面々がいつもの通りに、飲み会を繰り広げていた時のことだ。

沉睡魔咒沉睡魔咒:病毒型异能，可通过血液接触而感染，感染者会从最初的精神不振犯困，到最后沉睡不醒，永远被禁锢在梦中直至死亡。

“下一个瞬间，请睁眼看我。”



1.

“最后王子献上真爱之吻，吻醒了睡美人，两人幸福地生活在一起……”

“呕，真是令人恶心的桥段。”太宰治合上童话书，像是扔什么脏东西一样丢得远远的，“我发誓，这辈子都不会看童话书了。”

中也看着被扔出去的童话书，撇了太宰治一眼，“你能活一辈子再说。”毫不留情地回怼。

太宰治耸耸肩，中也这句话说得很有道理，他罕见地没有反驳。在书架上又随意翻找了一下，太宰治放弃了，他根本找不到像完全自杀手册那样的经典名著，全都是让人看了直犯恶心的弱智童话。

他保证，他以前从来没看过这种东西。在被森先生捡到之前，太宰治曾经看到过那些家长给小女儿买了童话书，女孩子都幻想着自己能够变成公主或者睡美人，然后在某一天被两情相悦的王子吻醒，最后过上幸福的生活。