どんぐりの仲良しぽっせ 玄関扉を開けた先にいた、自分のチームメンバーである二人を見た乱数は、瞬きをし首を傾けた。
「あれれ?幻太郎も帝統も、二人揃ってどうしたの~?今日って、集まる予定とかあったっけ?ボク忘れちゃってる??」
不思議そうな乱数を目の前に、玄関先にいた幻太郎、帝統は、各々に首を横に振る反応を見せる。そして、肩を少しすくめた幻太郎から口を開いた。
「新作のアイデアが思い付かず、苦労してましてね…気晴らしに街を歩いていたところ、通行人が避けていく風体の怪しい男に出会い……」
そこまで言った幻太郎が、隣に立った帝統を、じっとりとした視線で示す。
幻太郎の隣に立っている帝統は、なるほど、普段も綺麗な格好をしているわけではないが、今日は一段と薄汚れた姿であった。おおかた、昨晩降った雨の影響だろう。帝統は基本的に公園で生活をしているのだ。
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