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    tksgnotnpc

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    POIPOI 13

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    現パロ/ワンナイトラブから始まる本気の恋

    高杉社長 大層おモテになる。
    いつか刺されんじゃねーですか?というのは秘書の阿国談。
    特定の恋人などは作らない。遊んでる。そもそもそういう相手には事欠かない。
    後腐れない関係が大好き。でもたまーに本気になっちゃう子がいて、面倒だな……なーんて思ったりもする。

    いつもはクラブで遊び相手を探すんだけど、今日はそういう気分じゃなくて落ち着いたバーに向かう高杉。
    マスターは誰がいいかなあ。やっぱり新茶かなあ。
    こぢんまりとして、しっぽり美味しいお酒を楽しむバー。もちろん高杉さんとマスターは知り合い同士。
    そこにふらっと入るとカウンターに誰か女の子が座っていることに気づく。
    吸い寄せられるようにそこに向かいつつ「やあ、久しぶり」とマスターに挨拶する。
    「おや、珍しいお客様だ」
    「ハハハ、そうかもな。ね、隣いいかい?」
    突然話しかけられた夢主は驚きながらもこくりと頷く。
    「ここにはよく来るの?」
    「い、いえ、初めて、です」
    彼女がこういう場に慣れてなさそうなのは目に見えてわかった。
    少しだけ服に着られている感じが出ているし、アクセサリーも服にぴったり合ったものじゃない。
    垢抜けてない感じ、もったいないなあ。この子可愛いのに、なんて思いながら出されたカクテルを飲む。
    ジン系のカクテル好きなんじゃない?高杉さん。知らんけど。

    ぽつぽつ会話が弾むようになって、一言くぎを刺される。
    「彼の言うことをまともに聞いちゃダメだからね。悪の親玉みたいで痛い目見ちゃうよ」
    「ひっどいなあ!まあ否定はしないが」
    いつもよりペースを落としてお酒を楽しむ高杉。こういうのもアリかもねえ、なんて高杉は思う。
    そしてなぜ夢主がバーに来たのかを聞き出すことができた。
    どうやら彼女は失恋したらしい。よくあるパターンだなこれは。ちょっと無理してバーに来たのはいいものの、どうしたらいいかわからなかったって感じか?
    そういうところが純朴で微笑ましいと思う。
    好きだった先輩がどうやら結婚するという突然のお知らせに、告白するよりも前に失恋してしまったという話。……ありがちだけど、まあ、そういうプライベートなことさえ知らなかったという事実って結構傷つくんだよね。
    恋を忘れるために背伸びをしてバーに来たのは、あながち正解かも?だってこの僕と出会えたんだからさ。なーんてね。
    でもまあ、そういうつもりで彼女はここに来たわけじゃないんだろうけど、こんなにふわふわして、ちょっと陰のある雰囲気を持った子は、たくさんの猛獣がいる檻の中に入れられた一匹の子ウサギなんだよ。
    どうやって料理して食べてやろうかと今か今かとみーんな舌なめずりしちゃってる。
    この僕だって例外じゃないし、いつもとは違うタイプの女の子と遊ぶのも楽しそうだよね。うん、面白いだろうな。
    で、お酒をいっぱい楽しく美味しく飲んで、いたって友好的に夢主に接してお持ち帰り。

    ラブホではなく、高級ホテルのスイートとかに連れて行かれちゃうよ。
    夢主は、え、え?とあたりをきょろきょろして、どうして?どうして?と不思議そうな、不安そうな顔をしたまま高杉を見てる。
    こういうの高杉さん絶対手馴れてると思う。
    ん~なんだろ。今まではスペック目当てで言い寄ってきた子たちとばっかり遊んでたから、新鮮だなあ。ソソるなあ、と彼は思う。
    ここまできたら夢主も彼に何をされるかはわかってるし、流されるのもいいかもしれないと思い始めてきた。
    だって、この恋を忘れたいから。彼ならば、きっと、たくさんの優しさを分け与えてくれると思ったから。
    でも夢主はこういうことにてんで慣れてなくて、シャワーとか、その、あの……と緊張しながらもじもじと喋っていると、可愛いなあ、と高杉は唇を奪ってベッドになだれ込む。
    夢主はこんなに気持ちいいの初めてだし、高杉も、え、セックスってこんなに楽しかったっけ?ってなってる。
    いつもは一回で終わるのに、何度もヤって、何度も果てた。
    それでお互い疲れて寝ちゃう。ちなみに夢主も高杉さんもこんなの初めての体験。

    朝起きて、うわ~体だる~い。でも楽しかった!で、隣を見ると誰もいない。というか部屋から夢主が消えてる。
    嘘だろ、と驚いてる自分にも驚く。だって、いつもなら女の子を置いて帰ってるからね。それに今回だってワンナイトの予定だったし。
    とりあえず辺りを見渡せば、昨日脱ぎ散らかしていた服は整えられているし、テーブルにありがとうございました、と一言だけ添えたメモが残されていた。
    ああ、欲しいな、この子。と名前も知らない夢主を渇望し始める。
    その日から夢主を捜索するんだけど、きっと出会ったバーには現れないと思ったので地道に調査。
    いつもは部下に任せていた取引先への顔出しも率先して行う。
    そしてついに夢主を見つけた。とある企業でお茶出ししてくれた可愛い女の子が夢主だった。
    高杉を見て目を丸くし、頭を下げてそそくさと出て行く様子に、自分のことを覚えているし、気にしてくれているな、とご満悦。
    夢主を見つけることが目標だったので、取引先の人には挨拶を交わしてすぐに夢主を追いかけた。
    夢主はワンナイトの相手が取引先の社長だったことを知ってしまって大パニックを起こしてる。
    どうしよう、と震えていたら「やあ」と後ろから気さくな声がかけられた。
    「ねえ、君。ここで働いていたんだね」
    「は、はじめまして。高杉社長」
    ここは他人の空似作戦でいこうと夢主は取り繕うが、表情でバレバレ。愉快そうに笑う高杉。
    「ふうん。そういうつもりなんだ。あの日熱い一夜を過ごした子はここに……ほら、ホクロがあったよ。夢主ちゃん」
    「あ、ああ…………」
    どうしよう、と途方に暮れ涙目になる夢主にちゅう、とキスをする。あっさりそんなことをする高杉にぽかん、と固まってしまった。
    「僕、君のこと好きになっちゃったんだよね。責任取ってくれる?」
    「――――え?」
    驚愕に目を見開いて高杉を見上げる夢主の様子を笑みを絶やすことなく見つめる高杉。
    「返事はイエスかはいでくれたまえよ」
    「……???」
    頭がいっぱいいっぱいになってふわふわ揺れる夢主を優しく抱きしめて、仕事終わったらデートしよっか、と夢主の様子を楽しむように熱を孕む頬をそっと撫でた。

    (最初で最後のワンナイトラブ)



    遊び人が一人の女の子(いつも遊んでいるようなタイプではない子だとなおさら良い)にのめり込むの大好きなんだ。
    もう性癖かもしれない。
    こういう人は一途になったらずっと一途だと思う。
    昔遊んでた子たちの連絡先はすぱっと消してるし、誘われても断る。
    言い寄られたとしても好きな子がいるからって絶対に拒否。
    尽くすし、好き好きってめっちゃ言うし、向こうから好き、って小さく返ってきただけで有頂天になる。
    こういう高杉さんはいかかでしょうか??
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