「浩平…」
洋平が俺の名前を呼ぶ。双子の弟が発する声は俺のものと同じであるはずなのに、熱を孕んだそれはどこか聞きなれなかった。
「浩平、痛くないか?」
「ああ、洋平こそちゃんと気持ちいいか?」
「気持ちいい…すごく」
洋平の目に浮かぶ涙を見て、俺は自分もまた泣いていたことに気づく。
幸せだ。
体の重ねた場所から互いの熱が伝わり、ドロドロに溶けて混ざり合う様な錯覚に陥る。元々ひとつだった俺たちにとってこの情事は、これ以上ないほどに自然なことに思えた。
「浩平、もう出る……ッ!」
「ん、ぁああっ!……うぅ、ふぅ、ぐすっ」
身体の一番奥で熱いものが弾け、腹の中にじんわりとした温かさが広がる。それとほぼ同時に俺も果ててしまい、全身がガクガクと震える。
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