君のもの 抜けるような青空の下に広がっていたのは、夏の太陽に似た黄色い花が一面に広がる――ひまわり畑だった。
「ワオ、凄くきれいな景色だね、ユウリ!」
「でしょ? 子どもの頃から、僕と優ちゃんたちの秘密の場所だったんだよ」
地元の人もあんまり知らないんだ、と得意げに笑うユウリに、目を細めながらおれは少しだけ意地悪く聞いた。
「……そんな秘密の場所、おれに教えちゃってもいいの?」
「いいんだよ! ヴィクトルは僕の……こ、『恋人』なんだから!」
投げやりのように言って、ひまわり畑に囲まれた小道を一人でずんずん進んで行ってしまう年下の恋人。にやけた顔を隠しきれずに、おれはユウリの後ろに続いた。
「ユウリから『恋人』なんて言ってもらえる日がくるなんて、嬉しいなあ」
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