(治角名)ひとりでできるもん「ほな角名が自分でやっとるとこ見たい」
治のとこに帰っている間は朝ご飯は治、昼ご飯は俺が作るのがルールだ。
昼といっても店の営業が終わったあと、夜の仕込みが始まる前のせわしない時間になるんだけど。
その昼ご飯ーー今日はマグロとアボカドの丼だーーをがつがつと食べながら急に治が「なあちょっと賭けへん?」と言い出した。
「で、何を賭けんの?」
その質問の答えがこれだ。
自分でやるってやっぱりオナれってことだよね?
見たいってことは治の前で?マジかよ。
高校の頃クラスが一緒になって急に距離が近づいたころ、俺たちは何かを賭けてよく勝負をしてた。
まあ言い出すのはほとんど治なんだけど。
よくあるジュースおごってだの、バス停までカバン持ってとか、最初はそんな他愛もないものだったのに、あるときから治が賭けの代償として口にするものの色合いが変わった。
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