学だちゅ供養レースカーテンから差し込む陽の光。
静かに空いている隣のシーツは冷たくて、中也はどうやら先に起きているらしい。
そろそろ来るかなぁ、と思いつつも微かに開いた目を閉じて、逃げるように布団に顔を埋める。すると予想通り、直ぐに扉が開いた音がした。
「太宰、朝」
ほら、来た。
柔らかい声で「起きろ」言いながら、布団越しにポンポンと体を叩かれる。開いた扉の向こうからは、朝食 の良い匂いが漂ってきた。
「んー……もうちょっと、」
「莫迦、遅刻すんだろ。朝飯できてんぞ」
顔だけ出してそう言うと、中也は溜息を吐きながら空いている隣に腰を下ろした。
さらさらと髪を梳く様に撫でると、太宰は目を瞑ったまま催促するように手に擦り寄ってくる。悪い気はしないので、そのまま撫でながら顔にかかった髪を避けてやる。無駄に綺麗な顔だな、と毎回思うが本人に伝える気は毛頭ない。
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